アルゼンチンは牛肉大国として有名です。
何と毎週末に焼肉パーティーをするほど、牛肉大好きなアルゼンチン。
もはや「主食は肉」と言っても過言ではありません。
アルゼンチンではどうしてそんなに牛肉を食べるのか?
地球の反対側にある国、アルゼンチンの食文化に迫ります。
アルゼンチンは牛肉が安い
スーパーに行くと、ついつい惹かれてしまう肉コーナー。
みなさんは何肉が好きですか?
牛肉が好き!という人は多いでしょう。
牛肉にそれほど固執していない人はいても、牛肉は嫌い!という人はあまりいないでしょう。
アルゼンチンの牛肉消費量は世界2位
アルゼンチンは牛肉が安いことで有名。
そしてその安さから、かつては世界一の牛肉消費量を誇っていた国なのです。
今でこそ1位をウルグアイに明け渡してしまったものの、一人あたりの年間牛肉消費量は40kg以上。
200gのステーキにして、200枚以上を一年間に食べるというのですから驚きです。
アルゼンチンの畜産の中心は大草原「パンパ」
アルゼンチンには「パンパ」と呼ばれる大草原が広がっています。
パンパはブエノスアイレスを流れるラ・プラタ川の流域に広がっており、その広さは何と関東平野の60倍。
国内の牧草地の約6割がそこの集中しており、世界有数の畜産地帯としても有名なのです。
なんと、アルゼンチンの牛の頭数の方は人口よりも多いそうですよ。
アルゼンチンの人口は4100万人あまり、対して牛は5100万頭以上いるんだそうです。
アルゼンチンの牛肉の価格は?
アルゼンチンの牛肉は、部位にもよりますが100gあたり100円前後。
日本で牛肉を買った場合、輸入牛肉は100gあたり300円程度、国産牛肉は100gあたり773円が平均らしいので、ずいぶん安いですね。
アルゼンチンのスーパーの中には、曜日によって大幅に割引をする日があるので、それを狙って買い物をするとさらに安く牛肉を買うことが出来ます。
アルゼンチンでは毎週末焼肉パーティーをする
アルゼンチンの家庭では、毎週「アサード」と呼ばれる焼肉パーティーが行われます。
家の中ではなく、屋外にある炭火のコンロで行います。
マンションの屋上にはバーベキューの施設が作られていることが多いほか、家のベランダに炭火のコンロを取り付けたりすることもあります。
大きな肉を焼いて取り分けるというのがアルゼンチンの風物詩なのです。
週末になると、町を歩けばどこからともなく肉の焼ける良い匂いがしてくると、アルゼンチンにいることを実感できるでしょう。
スーパーで牛肉の塊とアサード用の炭が売られている
スーパーでは塊の牛肉が大量に並んでいます。
どれも大きくて安いため、調子に乗って買いすぎてしまうかもしれません。
また、どのスーパーに行っても、アサード用の炭が必ず売っているというのも特徴の一つです。
わざわざホームセンターなどに行かなくても炭が売っているということで、初めは驚くかもしれませんね。
ワインやビールがとにかく安い!
アルゼンチンはワインやビールも安く変えます。
ワインは1瓶200円程度から買えますし、ジュースより安い缶ビールもあるほど。
ちなみにビールは大瓶で買うほど単価が安く済みますよ。
飲み過ぎには要注意です。
焼肉レストランだけでなく、炭火バーベキューの露天商もいる
アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスには街中の至る所に焼肉レストランがあります。
アルゼンチン風の炭火バーベキューは「アサード」とも「パリージャ」とも言われます。
どうやら家庭での焼肉は「アサード」、店での焼肉は「パリージャ」と呼ばれることが多いようです。
家庭的なパリージャのレストランは休日の昼から多くのポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)で賑わっています。
安価なレストランもあれば、高級レストランもあるので、店によってさまざまな味を楽しむことが出来ます。
アサードの露天が出ていることも
何とアルゼンチンでは、町中にアサードの露天商がいることもあります。
日本のような屋台という感じではなく、バーベキューに使うような簡単な炭火のコンロを出して商売をしています。
町中を歩いていて、突然肉の焼ける匂いと白い煙に出くわすこともあります。
チョリパンの屋台がいたるところに
観光都市としても有名なアルゼンチンの首都・ブエノスアイレスですが、至る所でチョリパンの屋台を見ることが出来ます。
チョリパンとは、太めのソーセージ「チョリソー」がサンドされているサンドイッチのこと。
チョリソーをパンではさむので「チョリパン」と言います。
アルゼンチンのチョリソーはイメージのはるか上のうまさ
チョリソーというとピリ辛のソーセージのイメージがありますが、アルゼンチンのチョリソーは辛さはそれほどありません。
ギュッと詰まった身から肉汁が溢れ出し、素材の肉の旨さをたっぷり詰め込んだソーセージです。
チョリパンの屋台はセントロに多い!
特に屋台が多いのは観光客の多いセントロ(市内中心部)や、川沿いの港町・プエルトマデーロ地区など。
住宅街では屋台よりはお惣菜屋さんやショッピングモールのフードコートなどでチョリパンが売られていることが多いようです。
屋内で食べたいときはフードコートがおすすめ
セントロ近くのショッピングモール、「GALERIA PACIFICO」のフードコートなら、屋内でゆっくり食べることが出来ます。
街歩きしながら食べたい場合は屋台で購入、座ってゆっくり食べたいときはフードコートで食べるのがおすすめですよ。
アルゼンチンの焼肉とは?
アルゼンチンの焼肉は基本的に塩とコショウだけのシンプルな味付けです。
日本では霜降り肉をありがたがる傾向がありますが、アルゼンチンは肉そのものの旨味を味わうの普通なため、赤身が中心です。
レストランでパリージャを食べるときには
一般的にレストランなどで出される焼肉は「パリジャーダ」という肉のいろいろな部位の盛り合わせ。
3人で2人前を頼めば十分、というくらいに多いのが特徴です。
骨付き肉や内蔵、チョリソー、そして血のソーセージであるモルシージャなど、山のように出てきます。
それに加えて、肉が出てくる前にパンの盛り合わせもやってきます。
焼きたての美味しいパンを食べすぎてしまって、肉を食べきれなくなってしまうということもあるそうです。
アルゼンチン名物「チミチュリ」ソース
通常は塩とコショウだけのパリージャですが、「チミチュリ」というソースが一緒についてきます。
塩コショウだけで食べるも良し、チミチュリを付けて食べるも良し、好きなように楽しむことが出来ます。
チミリュリはパセリやニンニク、玉ねぎなどにオリーブオイルとワインビネガー、塩を加えて和えたものが基本。
それ以外の材料は、レストランごと、あるいは家庭ごとに入れる材料や分量などが異なるんだそうです。
もちろん、出来上がっているチミチュリがスーパーでも売られています。
また、チミチュリの中身だけが売られており、オイルやビネガーなどを自分の好みで加えるという事もできます。
チミチュリの基本レシピ
【材料】
- イタリアンパセリ・生:7g
- パセリ・生:7g
- ニンニク :10g ※ニンニクが苦手な人は減らしても良い
- 新玉ねぎ:50g ※ 通常の玉ねぎでも可。
辛味が気になる場合は水にさらしておく
- 輪切り唐辛子:小匙1
- 乾燥オレガノ:2g
- オリーブオイル:大さじ4杯
- ワインビネガー:大さじ3杯
- 塩・コショウ:適量
【作り方】
- 具材を細かく刻み、オリーブオイル、ワインビネガーと和える。
- 味見をしつつ塩コショウをお好みで加えて出来上がり。
※フードプロセッサーを使うと早く出来ます。
ペースト状になる前に止めるのがポイント。
牛肉の本場で焼肉を食べませんか?
アルゼンチン人の主食である牛肉。
アルゼンチン牛は輸出もされていますが、国内での消費がとても多いというのが特徴です。
アルゼンチンの牛肉は「世界で一番おいしい」と言われるほど。
これは「一番美味しい肉は輸出せずに国内で消費するようにする」という方針があるから、と言われています。
本当かどうかはぜひ実際にアルゼンチンに行って確かめてみてくださいね。