12月も中盤に差し掛かり、もうあっという間にクリスマスがきます。皆さんはいつもどんなクリスマスをお過ごしですか?
筆者は現在北欧スウェーデン在住ですが、昔日本でお付き合いしていた日本人の彼が「留学先でたまに日本人はクリスマスにフライドチキン食べるんだろう?って言われて心外だよ~誤解だよって思ったさ」といってましたが、筆者もぶっちゃけそういうイメージはありました。
ただ筆者の家庭はあまりそういうファーストフードを行事ごとで食べなかったのであれですが、大体の家庭のクリスマスとはそういうものなのでないかという漠然とした妄想があったのです。なぜなら日本は宗教関係なく祝い事やお祭りを色々行う国だからです。
さて今回はそんな我が国日本と海外のクリスマス事情について考えてみましょう。
さっと読める目次
クリスマスの由来は?
皆さんはクリスマスが具体的に何日なのかわかりますか?おおよそ日本では25日クリスマス当日で24日がイヴ、ついでに23日は友達と集まろう!なんて予定を組む人も多いかと思います。
筆者も日本で暮らしていた時はだいたいその予定でしたが、恋人がいない時なんかは早めに実家に帰ったりその日に友達と遊んだりと予定を変えていました。
クリスマスの日付は国によって違う?
筆者は日本で生まれ育ったのでクリスマスは12月25日だ!と思っていましたが、嫁ぎ先のスウェーデンではクリスマスは24日です。
そして以前住んでいたイタリアを含むカトリックや一部のプロテスタントの国々のクリスマスはは25日です。また他の国で例えばギリシャ正教では1月7日、アルメニア教会では1月19日がクリスマスだそうです。
何だか中国や韓国の新暦や旧暦のお正月みたいですよね!更には冒頭でも述べましたがクリスマス自体は本来宗教的な行事なのですが、日本ではややお祭り感覚になっているのが現状です。
日本はいつからクリスマスを祝うようになったの?
では日本ではいったいいつ頃からクリスマスが定着したのでしょうか?
今からさかのぼる事何と約500年前の1552年に、現在の山口県にフランシスコ・ザビエルがキリスト教の宣教師としてやってきた事を学生時代の歴史の授業で勉強した方は多いでしょう。その時にザビエルが信徒を集めて12月24日にミサを行ったことが今日の日本のクリスマスの始まりだと言われています。
織田信長がクリスマスに休戦したって本当?
そして何とあの織田信長と松永久秀が戦の最中にクリスマスになり、その日は1日休戦した事が1568年にイエズス会士ルイスフロイスによって記録されています。
戦国時代からクリスマスが日本にあったなんて、いささか信じがたい話ですが本当なのです。しかし日本では後の1612年に江戸幕府がキリスト教禁止令を発令た為、一旦クリスマスは姿を消しています。
世界各国のクリスマス文化について
日本で古くは戦国時代から祝われてきたクリスマスですが、他の国ではいったいどのように祝われているのでしょう?
ここでは主に筆者の知っている範囲の国々のクリスマスについてでちょっとまとめてみましたのでご覧ください。
世界のクリスマス事情
①イタリア
筆者が3年半暮らしてたイタリアでは、25日のクリスマス当日はみんな家族と過ごすため田舎に帰る人も多いので、都心部は人が少なくひっそりとしてしまいます。筆者は当時フィレンツェという結構都会に住んでいたのですが、クリスマス時期は確かに人通りが少なくなりましたね。そして筆者も例にもれず日本に一時帰国などをしていた事が多かったです。
またこの時期イタリア各地でクリスマスマーケットが開催されるので、中心街の広場などは多くの屋台でにぎわいます。有名どころでは首都ローマをはじめボルツアーノ、メラーノ、ブレッサノーネ、トレント、ベローナ、トリノ、チェルビニアなどで行われるクリスマス市で、日本でいう所の蚤の市のクリスマスバージョンといった感じです。
そしてイタリアでは24日の深夜に各地の教会でミサが行われ、クリスマス当日の25日とその翌日の26日は祝日となります。キリスト教の中でもカトリックはとりわけ色々な戒律が厳しいので、それに伴いクリスマスも大変重要な行事となっているので、日本みたクリスマスは恋人と過ごす!というのとは全く違う雰囲気です。
②フランス
筆者の義父はフランスの田舎に住んでいるのですが、フランスでは24日に家族で集まりみんなで一緒に夕食を取った後に深夜のミサに出かけます。25日に家族ですごすイタリアとは少々時間のずれがあるものの、だいたいヨーロッパでは24~26日は家族ですごすという感じですね。また、フランスではクリスマスの事をノエルといいますが、このノエルに食べるお菓子が沢山あるのもさすが美食の国です。具体的なメニューについては後ほど詳しくご紹介いたします。
③スウェーデン
筆者が現在住んでいる北欧スウェーデンでは24日がクリスマスです。その日は家族(この場合の家族とは親戚一同な事が多いです)で集まるのですが、12月に入ってからは比較的毎週なんやかんやとみんなで集まる傾向にあるので、ちょっと家族と会いすぎて疲れるなんて思う最近の若い世代なんかは年末年始に海外旅行に行くのだそうです。
スウェーデンは室内では靴を脱ぐ文化だったり比較的みんなシャイな事もですが、意外とこういう所も結構日本人と似ていてる印象ですね。また12月13日にはルシア祭というのがあり、イタリア・ナポリの民謡として有名なサンタルチアのスウェーデン語バージョンを歌いながら少女たちが行進し、候補の中からその年のルシアが決まるというイベントがあります。
因みにこのルシアの曲ですが、元々のイタリア語でエンリコ・カルーソーがナポリの美しい情景を歌ったものですが、それぞれの国では全く違う意味の歌詞で伝承されています。更にこのルシアのお祭りがあるのはイタリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、アイスランド、スウェーデン、ノルウエー、フィンランド、デンマークの9つの国です。
食べ物だけでなく祝い方や風習など、同じヨーロッパでもこんなに違うものなのですね!では料理にはいったいどのような違うがあるのでしょうか?
クリスマス料理について
冒頭で日本のクリスマスといえばフライドチキン!と言われている様に、ここでは先程紹介した国々でそれぞれクリスマスに食べられている料理をご紹介致します。
①イタリア
イタリアではクリスマス当日の家族との昼食でフルコース料理を家で食べます。家にもよりますがクリスマスなのでメインは肉料理が何と2つも出てくる事もあります。そしてその後にクリスマスのお菓子として有名なパンドーロやパネットーネが出てくるので、食べている途中でお腹いっぱいになって最後まで食べきれない人も多いので、最近ではレストランなどでもコース料理のプリモピアットを省いて、など臨機応変に対応してくれるところも増えています。
②フランス
フランスのノエルではフォアグラやキャビアをはじめとした高級食材を食べるようです。そしてメインはターキーではなくシャポンという去勢した雄鶏で、特に有名なのはブレス産のシャポンなんだとか。
そしてフランスといえば何といってもスイーツの宝庫!クリスマスに食べれるスイーツは有名どころではブッシュ・ド・ノエルや色々な形をしたクッキーのブレデル等があります。
③スウェーデン
そして現在筆者の暮らすスウェーデンではクリスマスになるとユールボードというクリスマスブッフェを楽しみます。このユールボードが普段のスウェーデン料理と比べると非常に豪勢なメニューとなっているのですが、日本のブッフェになれた筆者としてはデザートが足りないなと思ってしまいます。しかしスウェーデン在住3年目ともなるとこのユールボードがかなり美味しく感じれるから不思議ですね!筆者一家は今週末も来週もユールボードを食べに行く予定です。ちなみにこのユールボード、レストランで食べると5000円~で外食をあまりしない文化のスウェーデンではかなり高めの設定なのですが、スウェーデン人がみんな大好きなIKEAでは約1600円位と比較的安い値段で食べられるので、ユールボードが始まった週末のIKEAは珍しく人だかりができます。
そしてユールボード以外ではルシア祭りに食べるルセカッテというサフランパンや、ミュークペッパーカーカというジンジャーケーキ、ぺっぱカーカというジンジャークッキーなどを家庭で手作りして食べます。そしてこのジンジャークッキーでツリーのオーナメントを作ったり、お菓子の家を作ったりして家族で楽しみます。
いや~本当に文化も料理も国が違えば全然違うものなんですね!筆者はあまり詳しくないのでわかりませんが、アジアの他の国々のクリスマス事情も気になるところです。
まとめ
如何でしたでしょうか?クリスマスといっても国により全然文化や伝承、果てや食べ物まで全く違う事がお解りいただけたかと思います。更に同じ日本でもクリスマスでうちはこうする!など一家の伝統行事も地方によって違うがあるかもしれませんね!
この記事を読んで今まで知らなかったクリスマスの知識を得た後の今年のクリスマスはまた一味違ったものになるかもしれません。あなたのクリスマスがとても楽しいものでありますように!記事を読んで頂きありがとうございました。