横浜には観光名所がたくさんありますが、名物となる食べ物と言われると、すぐに浮かばないかもしれません。ですが、横浜市民のソウルフードといえば「家系ラーメン」!普通のラーメンとはどう違うのか?気になる味と特徴をご紹介します!
さっと読める目次
家系ラーメンとは?
横浜名物のラーメンは「横浜ラーメン」と言わずに「家系ラーメン」と言います。果たして家系ラーメンとはどのようなものなのか見ていきましょう。
「いえけいラーメン」と読む
「家系」と書きますが「いえけい」と読みます。「かけい」と読んでしまうと横浜では白い目で見られること必至ですので気をつけてくださいね。
「吉村家」が元祖
家系ラーメンの元祖と言えば「吉村家(よしむらや)」です。元々はJR新杉田駅近くで営業していましたが、1999年からは横浜駅近くに店舗を移して営業しています。吉村家は「家系総本山」と名乗っており、吉村家から独立した職人たちが「◯◯家」という屋号で出店しているのが正当な「家系」の系統です。また、吉村家から独立した店で修行をした職人が新たに店舗を構えているため、横浜市内に150店舗以上の家系ラーメン店があると言われています。
こだわるファンの中には「家」がついていない店は家系をは認めない、という人もいます。1週間に1回は家系ラーメンを食べないと我慢ができないという人もいるほどで、吉村家を始めとした人気店では常に行列が出来るほどです。
家系ラーメンとはどんなラーメンか?
家系ラーメンの特徴は以下の様なものがあります。
- 豚骨醤油ベースで、鶏ガラや野菜などでもダシを取っている
- 脂分は多い
- 太いストレート麺でコシが強い
- トッピングはほうれん草・のり・チャーシュー・ネギが中心
スープ表面に油の膜が出来ているため冷めにくく、油断して食べると口の中をやけどすることもありますので気をつけましょう。
男性にも女性にも人気
味が濃く、脂分が多いため男性に特に人気があります。見た目が濃く見えるため、食べず嫌いの女性は多いですが、一度食べると男女問わずやみつきになると言われています。午後から夕方にかけては中高生の客層が多く、時間が遅くなるにつれて会社員やデート帰りのカップルなどが店頭に並ぶ姿もよく見かけます。飲み会の締めに家系ラーメンを食べるというのが横浜市民の定番になっています。
頼み方にもコツがある?
家系ラーメンは注文の際、食券を購入する店が多いです。そのため食券を店員に渡すのみで、一言も話さずに注文し、食べて出る、ということが可能です。それ以外にも家系ラーメンは味の微調整をオーダーする人が大変多いというのも特徴です。
味の微調整をする
家系ラーメンでは客個人の好みに合わせて「味の濃さ」「脂の多さ」「麺の硬さ」をオーダーすることが出来ます。九州ラーメンは「粉落とし」「バリカタ」などの麺のゆで具合をオーダーできますが、味や脂までオーダー出来るのが家系ラーメンの大きな特徴です。
味 | 味濃いめ
味薄め(ほとんどいないようです) |
脂の量 | 脂多め
脂少なめ |
麺の硬さ | 麺硬め
麺柔らかめ |
注文の仕方は
「味」「脂の量」「麺の硬さ」を組み合わせ、「硬め・少なめ」「柔らかめ・多め」「濃いめ・柔らかめ・多め」などのように注文します。順番は決まっていないようです。一般的に「味濃いめ」を注文するときは「濃いめ」のみにするなど「味」「脂」「麺」という単語が省略される事が多いです。
おすすめのオーダーは
初心者であれば何の微調整もしない、オーソドックスなものを食べることから始めてみるとよいのではないでしょうか。慣れてきたらそれぞれの好みに合わせて、以下のような調整をするのがおすすめです。
脂っこいのが苦手で、食べるのがゆっくりな人
「硬め」「少なめ」
食べるのが早く、スープをしっかりと味わって満足感を得たい人
「多め」「濃いめ」「柔らかめ」
家系ラーメンおすすめ店5選!
横浜の家系ラーメンのおすすめ店を5店厳選してご紹介します。
吉村家(横浜駅西口)
何と言っても「家系総本山・吉村家」が一番人気です。どの時間に行っても店の外には行列ができている、超人気店。以前は「オヤジさん(店長)が食べ方まで文句を言ってくる」と言われていましたが、今ではそんなことはないようです。食べ終わったあとの満足度も高く、さすがは総本山、と言える味です。
近くに「横濱家」「山頭火」と言った名店もありますが、吉村家の人気は圧倒的です。
総本山の味はパンチの効いた味
味は豚骨スープのマイルドさではなく、醤油の効いたパンチのある味。後述の壱六家はスープのマイルドさの効いた国のある味ですが、吉村家は「攻め」のラーメンと言っていいでしょう。常に20〜30名ほどが待っていますが、客の回転が早いため、割とすぐに食べることが出来ます。
アクセス
JR/京浜急行/東急東横線/横浜市営地下鉄「横浜駅」より徒歩5分
岡野町交差点そば
杉田家(JR新杉田駅)
吉村家の直系1号店。吉村家の直系の店は横浜市内のみならず県外にもありますが、杉田家は吉村家創業の場所から道を挟んだ向かい側に位置しています。今では千葉県にも支店を出すなど県外にも広がっています。
アクセス
JR京浜東北・根岸線「新杉田駅」より徒歩5分
壱六家(JR磯子駅)
壱六家は家系ラーメンの中でも「壱系」というジャンルを築いている名店の一つ。吉村家の醤油の効いたガツンとしたスープと対照的に、壱六家は豚骨の効いたまろやかなスープが特徴。駅から徒歩5分という好立地ながら、近隣に駐車場が少ないというのがデメリットです。それでも常に行列が店の外まで続いている人気店。
アクセス
JR京浜東北・根岸線「磯子駅」より徒歩5分
寿々㐂家(相模鉄道線上星川駅)
数々の家系ラーメンの中で「最もおいしい」という声もある名店。「すずきや」と読みます。相模鉄道線の上星川駅から国道16号沿いに7〜8分程度と、若干距離があるにも関わらず常に満員、長蛇の列が出来ているのが特徴です。醤油味のパンチを残しつつ、豚骨のマイルドさが上品にマッチしているスープは「優しい味」と評判です。ライスと一緒に食べると絶品との声も。
寿々㐂家は駐車場があるのがメリットですが、止められる台数が少ないため、空いていたらラッキーと思いましょう。
アクセス
相模鉄道線「上星川駅」より徒歩8分
千家(京浜急行線黄金町駅)
千家は「オリジナル系」と称される店の代表格です。吉村家の系譜をついでおらず、創業者が独自で研究してたどり着いた家系ラーメンですが、本家本元の家系ラーメンと全く遜色ない味を提供しています。豚骨醤油ベース、太いストレート麺、ネギ・ほうれん草・チャーシュー・のりと、これぞ家系ラーメンというラーメンを食べることが出来ます。
オーダーの裏技も
薬味のネギを多めにする「薬味増し」やほうれん草を多めにする「れんそう増し」も無料で出来ます。何とライスを頼む際についてくるタクワンを多くする「おしんこ増し」も出来るという裏技も!
おすすめはネギラーメン
千家の特徴は何と言っても「ネギラーメン」です。豆板醤を絡めた白髪ネギを山のように乗せたラーメンで、ネギが脂っぽさを吸い取ってすっきりとした味わいになります。ネギラーメンとライスの組み合わせは、満足度の高い組み合わせとして人気があります。
アクセス
京浜急行線「黄金町駅」より徒歩5分
※JR京浜東北・根岸線「根岸駅」より徒歩3分の「根岸店」も人気です。
横浜のラーメンは家系だけじゃない
横浜のラーメンは家系だけではありません。実は横浜は東京、札幌、福岡と並ぶラーメン激戦区なのです。
横浜のラーメンといえば「サンマーメン」
横浜で伝統的に人気があるラーメンは「サンマーメン」です。サンマーメンという名前を聞くと、「さんまが乗っているのではないか」と連想する人もいるほどですが、実際には「中華そばの上に野菜のあんかけ炒めが乗っている」というもの。あんかけ炒めがフタをするような効果があるため、冷めにくく、常に熱いまま食べることが出来ます。JR京浜東北・根岸線の「関内駅」から「桜木町駅」にかけて、サンマーメンの名店が軒を連ねています。
新横浜ラーメン博物館
新横浜駅から徒歩8分のところにある「新横浜ラーメン博物館」も、横浜でラーメンを語る上では無くてはならない存在だといえます。1階は昭和30年代の街並みを再現したフロア、地下1階・2階には横浜市内だけでなく札幌や熊本、ドイツやイタリア・ミラノなどの名店がずらり。飛行機に乗らずに全国・全世界のラーメンを巡ることが出来るようになっています。
どの店も1人前の通常のラーメンの他、ミニサイズのラーメンがあるため、何件も食べ歩きをすることが出来ます。
出店中の主なラーメン店
- すみれ(札幌)
- こむらさき(熊本)
- 支那そばや
- 琉球新麺 通堂(沖縄)
- 無垢-muku- ツヴァイテ(ドイツ)
- 名取亭(博多)
- CASA LUCA(イタリア・ミラノ)
アクセス
JR/横浜市営地下鉄「新横浜駅」より徒歩8分
横浜のソウルフード「家系ラーメン」の店ごとの違いを楽しもう!
横浜市民のソウルフードとも言える「家系ラーメン」。今ではコンビニでカップ麺になった家系ラーメンを楽しむことも出来ますが、やはり本場の家系ラーメンには及びません。ぜひ実際に横浜に足を運んで、食べ歩きをしてみてください。店ごとの違いを楽しむのもおすすめですよ。