気軽に行けて思う存分楽しめる人気の旅行先、東南アジア。その中でも抜群の旅行者数を集めているのが、タイです。
タイは東南アジアの国々の中でもとりわけ治安が良く、ホテルやレストラン、観光施設が整備されていて、初めての旅行者でも安心です。しかも、初めて行った人の多くがタイの魅力に魅了されて、何度もタイへ通うリピーターになっています。
さて、そんなタイをこれから初めて訪れるという方のために、これだけは押さえておきたいという特選観光スポットをご紹介しましょう。
さっと読める目次
タイ文化を肌で感じるカルチャースポット
旅の一番の醍醐味は、知らなかったこと、予想もしなかったことに出会う驚きです。ことに、異文化の中に包まれるとき、長い時をかけてその国の人々が築き上げてきた想いや知恵に触れ、時として大きな感動・共感を覚えます。
タイは熱帯の地、雨季には大量の雨が降ります。そして敬虔な仏教国、また長く王が治めてきた王国です。こうしたタイの自然風土と社会システムが、長い時間をかけて独特の文化を育みました。
ワット・プラ・ケオ(エメラルド寺院)
タイ文化の象徴ともいうべきものが、ワット・プラ・ケオ(エメラルド寺院)です。この寺院は王宮内寺院で、国王によって仏教儀式が行われる特別な寺です。美しい堂宇や彫刻が並び、回廊にはラーマ・キエン(タイのラーマーヤナ。ラーマ王子を主人公とする叙事詩)の絵巻が描かれています。本尊は北部のチェンライで発見されて以来、各地を遍歴してきたヒスイ製の「エメラルド仏」です。
ラマ9世王が崩御された現在、王宮とワット・プラ・ケオは多くの弔問者ですし詰め状態です。ただし、弔問者と一般観覧者の出入り口は別に設定されているので入場は可能です。参拝する際は、服装に注意してください。短パンやミニスカート、タンクトップなどの露出の多い服装や、サンダル、穴あきパンツなど礼を失した服装だと入場できません。
ワット・ポー、ワット・アルン
王宮周辺には、重要な寺院がいくつかあります。その中でも双璧といえるのがワット・ポーとワット・アルンです。
ワット・ポーはバンコク最古の寺院といわれ、王室から庶民まで、多くの信仰を集めてきました。日本人の間では「涅槃寺」とも呼ばれます。本尊の巨大な涅槃仏にちなむものです。金色に輝く迫力ある涅槃仏は必見です。タイマッサージの総本山としての側面ももち、境内ではマッサージの授業が行われます。観光客がマッサージを受けることも可能です。
ワット・アルンは対岸のトンブリ地区にあります。王宮側からは渡し船で渡ることができます。18世紀のアユタヤ王朝滅亡の際、夜半にタークシン将軍がアユタヤを逃れて川を下り、白みかけた暁どきにこの寺に達し、この地に新王朝を建設したと伝えられています。この故事によって「暁の寺」と呼ばれるようになり、三島由紀夫の同名の小説にも描かれました。
サイアム・ニラミット
サイアム・ニラミットは、タイ・カルチャー・センター近くにある伝統文化をテーマとするシアター型テーマパークです。
ショーが行われるのは席数1740席の世界最大(ギネスブック登録済み)の劇場です。150名以上の劇団員、本物の水の流れや象が登場する、目を見張る歴史ミュージカルです。
屋外にはタイの伝統民家の再現があり、お菓子作りやクラフト制作の実演も行われています。広場では伝統舞踊の演舞も行われます。
開演時間は20:00ですが、少し早く行って、屋外のアトラクションを楽しむのがおすすめです。
観覧のみのコースと、ビュッフェスタイルの夕食込みのコースがありますが、食事はあまり期待しない方が無難です。
アユタヤ半日~1日観光
アユタヤは14世紀から18世紀の約400年間にわたってタイの首都が置かれた街です。現在は世界文化遺産に指定されています。王宮跡・王宮寺院のワット・プラ・シーサンペットを中心に、多くの寺院跡が残されています。樹根に仏頭が取り込まれているワット・マハータートはとくに有名です。歴史好きの人、お寺・仏像好きの人なら1日でも足りないでしょう。
アユタヤへ行く方法はバス、鉄道、船、タクシーなど様々ですが、お勧めしたいのはチャオプラヤ川を遡っていくクルーズ船です。華やかなりし頃のアユタヤは、世界屈指の国際貿易港でした。日本の御朱印船をはじめ、各国の船がチャオプラヤ川を遡ってアユタヤを訪れました。クルーズ船でのアユタヤ訪問は、そうした歴史の追体験でもあるのです。
パンダバス、HIS、JTBなど旅行代理店各社でリバークルーズ入りのツアーを販売していますから、自分で船のチケットを買うのが大変という人には良いのでは?
これぞタイ、庶民の味を堪能するグルメスポット
タイ料理というと「トムヤム・クン」があまりにも有名ですが、その割にはそれ以外のメニューがあまり知られていません。タイには熱帯ならではの、日本では見られない食材が多く、それらを使った絶品料理がたくさんあります。
でも、有名レストランはタイ人が聞いたら目玉が飛び出すほどの旅行者価格だったり、一般庶民が口にするものとはかけ離れたアレンジがされていたりして、どうも本物のタイ料理を楽しんだ気がしません。
本物のタイ料理は、地元の人がうまいといっている料理でしょう。地元の人たちがふだん食べるのは、エアコンのない名もない食堂だったり、道端の屋台だったりします。でも、そうした店は、タイ旅行初心者にはちょっとハードルが高すぎるかも知れません。タイ語ができないと、注文が難儀です。勇気がある人は、他の人が食べているおいしそうな料理を指さしで注文してみましょう。
お勧めしたいのは「フードコート」です。たくさんの販売ブースが並んでいて、麺類、カレー類、丼物など、100種類を超えるメニューの中から選ぶことができます。
番号のついたメニューの写真や英語表記もあり、番号を告げるだけで注文することができます。支払いは、まず適当な金額のプリペイドカードを購入し、注文するブースでこれを渡します。余った金額は帰りに換金することができるので、多少多めに買っても大丈夫です。
デパートやショッピングモールには必ずと言ってよいほどこのフードコートがあります。とくに、ターミナル21(BTSアソーク駅直結)やプラティナム・ファッションモール(伊勢丹デパート北側)のフードコートは秀逸です。広くてメニューが多い上、値段も良心的です。ひとり100バーツ(300円)もあれば、かなり贅沢できます。
ただ、注意したいのは行く時間。12時過ぎには近くのオフィスからも客がやって来て、空席を探すのが大変です。とくにグループだと一緒に座るのは絶望的。ピークの12時から13時を避ければゆったり食事を楽しめます。
高級デパートからローカル市場までそろうショッピングスポット
タイは物価が安いので、ショッピングも旅の楽しみのひとつです。
BTSのプロンポンには大きなデパート「エンポリアム」と「エム・クオーティエ(エンポリアム2号館)」があります。
また、サイアムも若者でにぎわうショッピング街。「サイアム・パラゴン」をはじめ、近代的な建築のデパートが並びます。
アソーク駅直結の「ターミナル21」も人気のショッピングモール。フロアごとに、日本、イギリス、アメリカなど各国をテーマにしたフロアデザインがされていて、見て歩くだけでも楽しめます。
ブランド品が並ぶ大きなデパートだけではありません。地元の人たちが集まるプラトゥナム市場も興味を惹かれます。衣料品を中心に、日用雑貨や玩具、携帯電話用品など、多種多様な店が並んでいます。常設店以外に歩道の露店にも品物が並び、いつも買い物客でごった返しています。日本では考えられない地元価格で、しかも値切れば半額、それ以下というケースも!
BTSモーチット、MRTチャトゥチャク近くのチャトゥチャク公園で土日に開かれるウィークエンド・マーケットも有名です。
不夜城バンコクを攻略するナイトスポット
バンコクはナイトライフも大充実です。ガイドブックには、超高層ビルのルーフトップバー、ニューハーフショー、ディスコなどが定番コースとして紹介されています。確かにそれらもいいのですが、定番コースはガイドブックに任せることにしましょう。ここで紹介したいのは、日本人女性があまり行かないゴーゴーバー街です。
ゴーゴーバーは、ステージ上で踊るビキニ姿の女性たちのポールダンスを見ながらビールやお酒を飲むところです。男性専門と決めつけられがちですが、欧米人女性はカップル・グループで結構入っています。
日本には全くないタイプの店ですから、ぜひ一度体験してみることをお勧めします。
ゴーゴーバーでは普通、テーブルチャージはかかりません。つまり、注文した飲み物の料金だけで、何時間でもいられるというわけです。
ハッピーアワーなら生ビール一杯50バーツ(150円)という激安店もあります。普通の時間帯でもドリンク各種が120バーツ(360円)から250バーツ(750円)ぐらい。これだけの料金でいたいだけいられるんです。
女性一人だけだとちょっと心配というなら、グループで行くとよいでしょう。とくに危険なことはありません。強いていうなら、店のスタッフより欧米人の客の方が要注意です。女性だけだと知ると、チョッカイ出してくるヤツが少なくありません。
バンコクのゴーゴーバー街は、パッポン、ナナプラザ、ソイ・カウボーイの3か所に集中しています。このうち、初めての女性でも行きやすいのはソイ・カウボーイです。BTSアソーク駅・地下鉄スクンビット駅から2分ぐらいと交通至便のロケーション。一歩通りに踏み込むと、両側には華やかなネオンが満開。店先にはそれぞれの店のセクシーなコスチュームをまとったダンサーたちが出て客を待っています。店へ入るとお腹に響く音楽に乗せ、体をくねらせて踊るダンサー。火照った体に冷たいビールが浸みわたります。
ちょっとだけ冒険して怪しい世界へ踏み込んでみるなんていうのも、楽しい旅の思い出になるのでは?
初めてのタイ旅行のための観光スポットまとめ
タイはとても安全な国です。初めての人でも、普通に行動している範囲では危険な目に合うことはめったにありません。
ただし、用心するに越したことはありません。人通りの少ない道を夜間に一人で歩くのは控えましょう。
「日本のお金を見せてください」という詐欺や、財布をしまった位置を確認しておいてのスリの被害も報告されているので注意が必要です。
気持ちがおおらかになるのがタイ旅行の魅力のひとつですが、犯罪に巻き込まれないよう気持ちを引き締めておくことも、楽しい旅には不可欠です。