仮想通貨の今後の伸びに期待して投資目的で保有しているという人はどのくらいいるでしょうか。仮想通貨という言葉の認知度もそうですが、注目が集まって取り上げられることが多くなっているにも関わらず、普及率は伸びていないということが言われています。
ビットコイン長者などの話もよく取り上げられますが、これらの話は魅力的であるとともに同時に怪しくもうつってしまうものなのでしょうか。今回はそんな仮想通貨の普及率について、現状やその原因、そして今後の展望やポイントを紹介していきます。これらのことを知っておくと、投資もしやすくなるでしょう。
さっと読める目次
仮想通貨の日本での普及率は低い
まずは、日本の仮想通貨の普及率について現状をみていきましょう。日本の普及率の低さや世界的な傾向について挙げていきます。
言葉の認知度
日本では、仮想通貨という言葉よりもビットコインという言葉の方が良く知られています。後述するマウントゴックス社の事件の影響もありますが、ビットコインという言葉の方が認知度が高いということですね。ビットコインは仮想通貨の代表とも言える存在なので当然とも言えるかもしれませんが、しっかりと理解している人は多くはないようです。
ビットコインは仮想通貨の代表的な存在と述べたように、たくさんある仮想通貨の中の1つですが、混同して仮想通貨の別名や商品名のようなイメージでビットコインをとらえている人も多いようです。もしくは、仮想通貨とビットコインをまったく別のものとして認識している人もいるでしょう。このような現状があるので、普及率も伸びていないのは当たり前ということにもなりますね。
世界的にも先進国では投資の面が大きい
日本では仮想通貨は投資の面が大きいですが、世界的にみても先進国ほど投資のウェイトが大きく、決済手段として用いられているのは発展途上国が多いようです。仮想通貨の特徴は非中央集権ということであり、政情不安や経済危機など自国の通貨が信頼できない場合には有効な手段となります。そういう面で発展途上国では決済手段など実用的な面での普及の方がウェイトが高いということですね。
ヨーロッパでもギリシャのデフォルトの問題に際しては仮想通貨に資金が流入したと言われており、有事の際の逃げ場の1つにもなっているようです。まだまだ途上ではありますが、金やプラチナなどと肩を並べるところまできているとも言えます。また、国際送金などもメリットになるので、特に大陸の中で陸続きの国同士のやり取りなど実用されている部分はやはり海外の方が多いということです。
仮想通貨が普及しない理由とは
日本の仮想通貨の普及率は低いということですが、なぜ注目の割りに普及が進んでいないのでしょうか。次は普及率がなかなか上がってこない理由についてみていきましょう。
必要性の低さ
日本で仮想通貨の普及率がなかなか上がらない理由としてまず挙げられるのは、そもそも必要性が低いからという点です。日本や世界の現状について先に触れましたが、日本は島国ということもあって、国際送金などを個人が行うということは多くはないでしょう。国内で基本的に完結するので、なかなか機会自体が少ないということが言われています。
また、政情不安や経済危機についても挙げましたが、日本の円の信頼性は世界的にみると高いと言えます。バブル崩壊からようやく抜けてきた中ですが、安定性や急落などのリスクが低いことから安全な通貨という認識がされているのです。そんな日本円を使っているので、わざわざ先行きのわからない仮想通貨に換える必要性がないとも言えます。
マウントゴックス社の事件
日本の普及率の低さに影響を与えているということで、最もよく取り上げられるのはマウントゴックス社の事件です。当時はまだそこまで仮想通貨もビットコインも注目されていませんでしたが、取引所の破たんによってビットコインが失われ、多くの人が損失を出しました。このときにビットコインは危ないものとしてニュースで広まってしまったことで、悪いイメージがついてしまったとされています。
ビットコインが悪いということではなく取引所に問題があったというのが正解ですが、メディアの伝え方や人々の受け取り方によって危ないものや怪しいものといったイメージがついてしまい、現在でも影響しているということのようです。もともと日本人は新しいものや今までにないものは懐疑的にみる民族とも言われているので、それも影響していると言われていますね。
仮想通貨の普及率は今後上昇する?
ここまでで、日本の仮想通貨の普及率の現状やその原因についてみてきました。次は今後の展望についてみていきましょう。
市場規模は拡大
注目の割りに普及率が上がっていないと述べましたが、それでも市場規模としては大きくなってきています。流入する資金が増えているということですね。以前は中国の影響が大きかったとも言われていますが、中国政府の規制によって影響力は下がっているとされています。
中国の政治イベントによってレートが変動することが多かったのでそのように予測されていましたが、現在では取引ボリュームなどでみると日本がかなり増えているようです。日本の取引所のレートが海外の取引所よりも高い、いわゆるジャパンプレミアムなども起こっています。
世界的にも拡大していく流れ
日本のウェイトが高くなってきていることが言われている仮想通貨市場ですが、世界的にもその流れは同じとされています。実用的なウェイトが大きい国が増えていくことはもとより、投資的なウェイトが大きい先進国などでも支払い手段として浸透していくことで市場規模が大きくなっていくことが予想されているということです。
国によっては警戒感を示していたり規制している場合もありますが、多くの国で通貨機能を有するとされています。フィンテックの発展とも関連しているので、止めることができない流れとも言われているのです。
仮想通貨普及率上昇のポイント
最後は、日本で仮想通貨の普及率が上がっていくためのポイントについてみていきましょう。どのようなポイントが主に挙げられるのでしょうか。
使える環境が増えていくこと
日本では投資面のウェイトが大きいと述べたように、支払い手段として使える場所が増えるなど使える環境が増えていくことが重要とされています。それによって認知度の上昇も見込まれるということで、投資面だけではダメということですね。
ビックカメラでビットコインでの支払いができるようになったことがニュースで取り上げられたのを見た人もいるでしょう。中国人観光客向けのサービスがきっかけですが、このように使える場所が増えることで認知度や普及率の症状が見込まれるということです。
世界の流れに乗り遅れないように
仮想通貨の技術であるブロックチェーンなど、フィンテックの発展スピードはとても早いとされています。1年後には仮想通貨での支払いがメジャーになっていてもおかしくないということですね。日本では東京オリンピックの開催も決まっているので、もしそのときに仮想通貨での支払いが世界的にメジャーになっていたら、整備されているかいないかはとても大きなポイントとなります。
経済損失でもありますし、日本は遅れているということを世界に発信してしまうことにもなりますね。この点を懸念している人もいますが、慎重派もまだまだ多いのでこれからの流れをしっかりと見極めることが必要とされています。
まとめ
今回は仮想通貨の普及率について、現状やその原因、そして今後の展望やポイントを紹介してきましたがいかがでしたか?普及率の上昇によってされにレートは上がることが予想されています。今から投資を考えるのもまだ遅くないのかもしれませんね。