ポケットWiFiの大きなメリットとして、多くの人がまず浮かぶのは、「どこでも使える」ということです。そのメリットに惹かれる人も多いことでしょう。しかし、ただどこでも使えるから買おう、と考えていては、思わぬ後悔に繋がりかねません。そこで今回は、ポケットWiFiの「どこでも使える」とは、どこまでのことを言うのか、様々な使用シーンや場所からご紹介します。
さっと読める目次
あなたの自宅はつながる?
ポケットWiFiの使用場所は、日常生活では自宅や職場がほとんどでしょう。お出かけもそうかと思います。では、ここで質問です。あなたのお住いの市町村は、どれぐらいの都市規模でしょうか。
窓から外を眺めてみて、他の家が見当たるような所であれば、全く問題ありません。電波マークは3~4本と、通信状況は良好かと思います。
逆に、自宅以外の家は全く周囲に見当たらず、しばらく移動しないと見かけない、というほどの小さな集落などは、ほとんどと言ってもいいほど圏外です。場合によっては電波マークが1~2本ほどという、弱いながらも電波がつながっている地域もありますし、普段は圏外のはずが、まれに1本だけつながっているということもあります。
使用可能な範囲は?
しかしながら、電波マークが1~2本ほどでは、速度制限がかかってしまっているときと同じくらいの通信速度です。ネットサーフィンは何とかできることがありますが、オンラインゲームや動画の視聴といった、データの通信料が比較的多いものの使用は、まず不可能です。そういったときには、オンラインゲームや動画の視聴はあきらめましょう。たまには読書などのほかのことをする、いいきっかけかもしれませんね。
では、職場はつながる?
ここまでは、自宅での使用を中心にした内容です。次は職場を考えてみましょう。 職場関連では、質問は2つあります。まず1つは、先ほどと同じように、あなたの職場の市町村は、どれくらいの都市規模でしょうか。もう1つは、あなたの職場が大規模な都市にあるという方は、こちらの質問も考えてみましょう。その職場は、オフィス街など、高層ビルが立ち並ぶところにあるでしょうか。これら2つの質問にどちらも該当した方は、実はポケットWiFiは職場では使いにくいかもしれません。
なぜかというと、電波というのは、いくら大都市にいたとしても、電波を発信している地点から自分のいるところの間に、高層ビルやマンションなどがあると、電波を建物が壁のような作用で妨げてしまうことがあるからです。
そこでこんな疑問が...
「じゃあ、結局ポケットWiFiが使えるところは少ないんじゃないの?」と思った方、安心してください。これは「こんなことも起こるかもしれない」という例であって、ポケットWiFiを含む電波を送受信する全ての通信機器がそうであるわけではないのです。特に最近は、ネット回線を中心に、たとえ妨げになる高層ビルやマンションがあったとしても、そういった建物には電波が回り込んで通過していくように、対策がなされてきています。データ通信の多い携帯電話はもちろん、ポケットWiFiも改善されており、ほぼすべての機種のポケットWiFiが、高層ビルやマンションによる悪影響を気にしなくていいのです。なので、先ほどの質問が2つとも該当している方も、ほとんどの場合が快適に使えるのです。
こんなところはつながりにくい!
では、おでかけをするときに行く、様々な場所の電波のつながりやすさはどうか、見てみましょう。色々な行先パターンがありますが、いくつか例を出してみます。例えば、少し遠いところにある旅館に行くとして、途中に高速道路を使い、その後一般道を通って道の駅に寄って、旅館に到着。こんな道筋だったとします。すると、高い確率で電波が届かなくなるところが1つあります。それは高速道路です。
なぜ圏外であることが多い?
高速道路は、東京で言う首都高速のような町中にある高速道路以外は、基本的に山間部が多いです。山間部には住んでいる人は少なく、人が住んでいたとしても日常的に、つまり頻繁にデータ通信を行う傾向のある、若い世代の人が住んでいるというケースは極端に少ないです。
結局電波が届くように会社側で設備投資をするには、コストばかりかかるのみなので、設置されずに圏外となっている地域が多いのです。もちろんさきほど挙げた旅行の例だと、高速道路だけでなく、一般道も旅館も山間部などにあれば圏外になっているかもしれません。
電波が届くかどうかは、最終的には定住者が少なかったり、データ通信が少ない地域であれば、設備投資するに適さない地域とみなされ、圏外となってしまいます。高速道路をまず挙げたのは、先ほど述べたように設備投資するに適さない地域にある場合がほとんどであり、圏外である可能性がほかの場所よりも高いからです。
まとめ
いかがだったでしょうか。ポケットWiFiのどこでも使えるというメリットの、「どこでも」がどこまでのことを言うかという判断基準は、使おうとしている場所が山間部などの比較的閉鎖的な状態に近い所にあるかどうかで、大まかにわかります。山間部が圏外になりやすい理由は先ほど述べた通りですが、例外もあるので、頭に入れておきましょう。ただ、やはり期待しすぎて後から不便に感じることの無いように、ポケットWiFiはどこでも必ず使えるわけではないことを一番頭に入れてもらいたいと思います。