北イタリアにある「パドヴァ」という街を知っていますか?
ヴェネツィアから電車で最短25分でついてしまう街なのですが、素晴らしい芸術作品や建築作品がある街として知られているのです。
ヴェネツィアから近すぎるため、観光地としてあまり注目されることは多くないのですが、せっかくヴェネツィアに行ったのであれば、行かないと損!というほど素敵な街なのです。
北イタリアの穴場スポット、パドヴァの魅力をご紹介します。
さっと読める目次
パドヴァとはどんな街?
パドヴァは北イタリア・ヴェネト州にある街です。
ヴェネト州の中では、ヴェネツィア、ヴェローナについで第三の都市です。
ヴェネツィアまで電車で30分、ヴェローナまで40分あまりで行くことが出来る、非常に交通の便の良い街です。
北イタリア最古の街
何とパドヴァは北イタリア最古の都市で、紀元前9世紀ごろにはすでに北イタリアの文化や経済の中心として発展していました。
当時はローマに次ぐ規模の街で、「富裕の街」と呼ばれていました。
イタリアで2番目に古い「パドヴァ大学」
パドヴァにある「パドヴァ大学」はボローニャ大学についでイタリアで2番目に古い大学で、パドヴァ大学はパドヴァの中心街にあります。
そのため、パドヴァは「学士の街」と呼ばれています。
大学の城下町と言っても良い街です。
コペルニクスが学び、ガリレオ・ガリレイが教鞭をとった大学
パドヴァ大学は、地動説を唱えたコペルニクスが学んだことで知られています。
また、ガリレオ・ガリレイの他、有名な文学者たちが教鞭をとるなど、名門大学として名を馳せていました。
シェイクスピアの喜劇の舞台
パドヴァはイギリスの誇る劇作家・シェイクスピアの初期の喜劇「じゃじゃ馬ならし」の舞台としても知られています。
シェイクスピアファンにとってはぜひとも行ってみたい土地の一つですね。
ちなみにパドヴァのあるヴェネト州第2の都市であるヴェローナは、「ロミオとジュリエット」の舞台として知られています。
パドヴァの見どころ5選
パドヴァには見どころがたくさんあります。
その中で特に見るべき場所をいくつかご紹介します。
聖アントニオ大聖堂(バジリカ・ディ・サンタントーニオ)
パドヴァには「聖人」の1人であるサンタントーニオが祀られた「聖アントニオ大聖堂(Basilica di Sant Antonio)」があり、キリスト教の聖地の一つとして敬虔なキリスト教徒たちから愛されています。
世界中からキリスト教徒が訪れる大聖堂です。
探し物と花嫁の聖人
聖アントニオはポルトガルに生まれ、パドヴァ近郊で没したと言われる聖人で、パドヴァの守護聖人です。
探し物や結婚、花嫁などの聖人と言われています。
聖アントニオの棺が安置されている
聖アントニオ大聖堂の中には聖アントニオの棺が安置されており、その棺に触り祈りを捧げる人で長蛇の列が出来ています。
また、聖アントニオの舌が安置され、公開されています。
さまざまな建築様式の融合
聖アントニオ大聖堂は、ロマネスク様式、ゴシック様式、ビザンティン様式、イスラム芸術などが融合され、完璧に調和の取れた巨大建築物です。
宗教的な意味合いだけでなく、芸術的な建築物としての価値も非常に高い建物です。
また、内部にはフレスコ画を始め、数々の絵画が描かれています。
オルト・ボタニコ(植物園)
パドヴァには世界最古の大学付属の植物園である「オルト・ボタニコ」があります。
16世紀にパドヴァ大学の付属の植物園として作られ、1997年には世界文化遺産として登録されました。
薬草学の発展に寄与した植物園で、今でも観光客が後を絶ちません。
スクロヴェーニ礼拝堂
パドヴァ駅からトラムで5分、歩いても10分程度のところにある「スクロヴェーニ礼拝堂」も非常に人気の高い施設です。
礼拝堂内部の壁面や天井は全てゴシック後期の芸術家であるジョットによるフレスコ画で埋め尽くされています。
礼拝堂自体は学校などのプールと変わらない程度の大きさですが、内部のジョットの作品の見事さに時間が経つのを忘れてしまうほどです。
聖母マリアとキリストの生涯が描かれ、入り口そばの「最後の審判」の見事さは必見です。
プラートデッラヴァッレ
パドヴァ駅からトラムで15分強、歩いて2.4kmほどのところに「プラートデッラヴァッレ」という名の広場があります。
この円形にの広場は9万平方メートルもあり、イタリアだけでなく、ヨーロッパでも最大級の広場です。
中央には運河で囲まれた楕円形の島のような部分があり、島の周囲では毎週末や平日の午前中にメルカート(市)が立ちます。
土曜日は雑貨、第3日曜日にはアンティークのメルカートが立つので、見て回るだけでも楽しむことが出来ます。
カフェ・ペドロッキ
1831年に創業した、パドヴァで最も長い歴史を持っているカフェです。
19世紀当時の建物が今でも残っており、観光客はもちろん、市民の憩いの場にもなっています。
カフェ・ペドロッキは「扉のないカフェ」と呼ばれており、朝でも夜でも開いているという意味があるということです。
何と営業時間は朝9時から24時まで。
カフェ、ランチ、ディナー、バーとあらゆる楽しみ方が出来るところがペドロッキの魅力です。
2階の一部は歴史博物館になっており、見学することが出来ます。
2階の美しい部屋は「ピアノ・ノービレ(Piano Nobile)」と呼ばれており、博物館と合わせ、見学コースとして人気があります。
カフェ・ペドロッキ名物「カフェ・ペドロッキ」
店名を冠した「カフェ・ペドロッキ」というカフェがこのお店の名物です。
エスプレッソベースのドリンクで、ミント風味のシロップを混ぜたクリームとココアをトッピングしたものです。
カフェメニューコンテストの世界大会でも優勝したことのあるメニューだということです。
ペドロッキツアーもある
毎週土曜日の午後にはペドロッキの案内ツアーがあります。
ペドロッキとPiano Nobile、そして旧市街地までの観光をし、ペドロッキに戻って「カフェペドロッキ」を飲むという1時間半程度のガイド付きツアーです。
パドヴァをよりお得に楽しむには?
パドヴァ市内の交通や施設の見学がよりお得に楽しむ方法があります。
しっかり活用することでパドヴァを堪能してしまいましょう。
パドヴァカード
市内の交通と見学できる施設に使用できる「パドヴァカード」というパスを購入することができます。
パドヴァ市内のバスとトラムが乗り放題になり、スクロヴェーニ礼拝堂の見学や市立博物館、カフェ・ペドロッキ2階のPiano Nobileや歴史博物館などが無料で見学できるほか、無料にならない施設やショッピングでも割引が適用されるなど、パドヴァを堪能するのには欠かせないカードです。
料金
48時間有効:16ユーロ
72時間有効:21ユーロ
購入できる場所
市内の観光案内所やインフォメーション、各見学施設のチケット売り場など
他の街へアクセスもしやすいのも魅力!
パドヴァは他の街へのアクセスに便利です。
パドヴァ駅は北イタリアの中でもかなり大きなターミナル駅であるため、各駅停車だけでなく、急行列車も止まります。
主な街への所要時間(最短)
- ヴェネツィア・サンタルチア駅:30分
- ヴェローナ・ポルタヌオーヴァ駅:45分
- フェラーラ駅:40分弱
- ボローニャ中央駅:1時間30分
- ミラノ中央駅:2時間10分
- フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅:1時間40分
ヴェネツィア
言わずと知れた「水の都」ヴェネツィア。
ゴンドラに揺られて市内観光をしながら美しいカナル・グランデ(大運河)の形式を眺めたり、リアルト橋、サンマルコ広場、サンマルコ大聖堂を見学したりと見どころは満載です。
ヴェローナ
ヴェローナはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台として有名な「恋愛の都」です。
ロミオがジュリエットに会いに来たバルコニーがある「ジュリエットの家」や、ローマのコロッセオより古い円形競技場であり夏のオペラで有名な「アレーナ・ディ・ヴェローナ」、レンガ造りの古い城塞「カステルベッキオ」など、たっぷり一日かけて見回りたい美しい街です。
ヴィチェンツァ
パドヴァからわずか15分でついてしまうヴィチェンツァという街も大変美しい街並みです。
ルネサンス期の建築家であるパラーディオが設計した街並みは世界遺産にも登録されています。
世界で最も古い屋内劇場である「オリンピコ劇場」や市立絵画仮名になっている「パラッツォ・キエリカーティ」といったパラーディオが設計した建築物群や、大聖堂、シニョーリ広場、ビサーラ塔という時計塔など、見どころは非常にたくさんあります。
世界遺産になった美しい街並みは必見です。
ヴェネツィアからも近く観光客も少なめな落ち着いた街でイタリアを楽しもう!
パドヴァはヴェネツィアからほど近いため、観光客が少なめというのがメリットです。
駅前には高級ホテルがある他、市内観光がしやすいところにヴェネツィアよりも安価な三ツ星・四ツ星クラスのホテルがあります。
交通の便がよく、近隣の街にも行きやすいため、パドヴァを拠点にイタリア北部を観光して回るというのはおすすめのプランです。
ぜひパドヴァの落ち着いた雰囲気を楽しんでみてくださいね。