ここ数年で、ポケットWiFi並みに知名度が急上昇してきたWiMAX。テレビCMではあまり見かけませんが、街を歩いていたりネットを見ていると、かなりの頻度で広告を見かけると思います。
その広告などがきっかけになって、実際にWiMAXの機器を購入・契約した方も多いのではないでしょうか。とはいっても、ポケットWiFiの方が以前より広く知られがちだったので、どういった経緯で現在に至ったのかご存知の方は少ないでしょう。
というわけで、今回はWiMAXの歴史をご紹介します。たまには通信速度やその他機能の話ばかりではなく、歴史を知るのも面白く感じるかもしれませんよ。
そもそも、なぜ開発されだしたのか?
外に持ち運んでもネットができるという形式のものがなかったころから、すでに固定回線は普及していました。それでも開発されるようになったのは、日常生活が都市部と比べて難しい地域へのネット環境の整備、高速通信が可能となる地域の拡大など、開発目的は複数存在していたそうです。また、中距離や長距離の通信技術の向上、つまりは都市部でのネット通信の快適度を上げようという目的などもあげられます。
思った以上に前からあった!
「ポケットWiFiよりも知名度が上がったのは遅いんだし、2012年ぐらいから出始めたんじゃないの?」と予想しがちですが、現在のモバイルルーターのもとである、移動しながらでも使用可能な回線だけで見ても、なんとWiMAXは2005年にはすでに開発され、存在していたのです。
しかも移動しながらというのは、徒歩や自動車レベルのスピードどころか、時速120kmという速さにまで対応していたのです。新幹線はさすがに無理ですが、快速列車であれば普通に使えたわけです。
そこから一般向けにモバイルルーターを提供するサービスとして、2007年にUQコミュニケーションズとウィルコムがWiMAXのモバイルルーターを取り扱うことが決まり、2009年よりサービスが開始されました。
そもそも、2001年からWiMAXの原型になるものは開発され出していたので、それを思えばモバイルルーター化するまではなかなか時間がかかったように思えます。サービス開始当時の通信速度は、下り最大40Mbpsでした。
ブラウザの閲覧はもちろん、Youtubeなどの動画サイトの利用もできるレベルですが、おそらく40Mbpsでは多少読み込みによって待たされる時間はあったと思います。
現在は下り最大370Mbpsにまで成長し、よほど通信状態が悪い状態でない限りは待ち時間はほとんどないので、現在の機器と比べれば、なかなかの遅さだったことがわかります。
しかし、逆に言えば7年で4倍にも及ぶ数値の上昇スピードは、とても速いと言えます。ちなみに、東京オリンピックが開催される予定である2020年には、なんと現在の370Mbpsからさらに通信速度が高速化し、1Gbpsにまで引き上げられるそうです。現在と比べて約3倍、サービス開始当時と比べて25倍と、比べてみると1Gbpsのすごさが予想できます。
当時のユーザーはどう感じたか
どんなものでも、新発売や新登場となるとそれに対する評価がネットなどで見られ、賛否両論様々であることが多いですよね。「これは買いだ」「買ってよかった」「買って損した」「大したことなかった」などと、どっちが正しいのかと思ってしまう意見がたくさん見つかり、あてにならないこともしばしば。
しかしWiMAXに関してはどうも特別だったようで、悪い評価をする人が少なく、サービス開始当初から高い評価を受けていたのです。
どうやら、固定回線に引けを取らない通信速度の速さであるのに、誰でも手が届く月額料金であったことが高評価の理由のようです。
固定回線に負けない快適さを持っていて、それを圏外にならない限りはどこでも使うことができるわけですから、これまでの常識を大きく覆したWiMAXは、ネットユーザーからすれば魅力的だったのは言うまでもありません。
そこから通信速度を中心としたサービスの改良を繰り返し、今に至るわけです。結果として、ポケットWiFiも負けじと発展してきたので、ポケットWiFiとWiMAXのモバイルルーターは今では良きライバルといったところでしょうか。
実際にポケットWiFiかWiMAXのルーターにするか迷ったことのある方も多いかと思いますが、迷ってしまうというのも、両者がともに通信技術の発展を遂げてきたからです。
まとめ
いかがだったでしょうか。おおまかではありますが、比較的わかりやすくなるようにお話ししました。先ほどもお話ししたように、ポケットWiFiもWiMAXのモバイルルーターも、等しく発展を遂げてきたわけですので、サービス開始の時期の速さで技術に優劣がつくわけではありません。今後もさらなる発展が期待されていますので、ぜひ日ごろチェックしておきましょう。