仮想通貨に投資をして利益を上げている人はどのくらいいるでしょうか。儲かるという話はネットなどでも出回っていますが、実際の普及率をみるとほとんどと言って良いほど広まっていないとも言えます。つまり、一部の人が仮想通貨に投資をして、一部の人が儲けているということになりますね。
その範囲の狭さゆえか、インサイダー情報の重要性というのも言われています。情報を先に掴んだ者勝ちということで、仮想通貨ではインサイダー取引で罰せられることもないようです。今回はそんな仮想通貨とインサイダー取引について、インサイダー取引の概要や仮想通貨との関連を紹介していきます。
さっと読める目次
インサイダー取引とは
まずはじめは、インサイダー取引とはどのようなものなのかについてみていきましょう。インサイダー取引の中身について挙げていきます。
内部者取引という意味
株式などでは証券会社などで口座を開設する際に、必ず職業などで内部者に該当するかどうかが聞かれます。会社の内部の情報を知っている人であればそれを利用して儲けたり、また反対に危険を回避することも可能になりますね。このようなことが可能になると、公正な取引ではなくなり、一部の人が儲けて他の多くの人からお金を騙し取ることもできてしまいます。
このような取引をインサイダー取引と言い、日本語では内部者取引とも言われます。内部情報、つまりインサイダー情報は漏らすことも処罰の対象になります。先に情報を得ることで利益を上げたり、危険を回避したいというのはみんな同じですが、市場の公平性が失われると価値が下がってしまうということも危惧されていますね。
記憶に新しいのは村上ファンドの事件など
インサイダー取引という言葉は耳にしたり目にする機会も多いので、知っている人が多いのではないでしょうか。記憶に新しいのは村上ファンドのインサイダー取引事件が挙げられますね。村上ファンドの代表が逮捕され、会見の様子などニュースで大きく報じられたことから覚えている人も多いと思います。
ニッポン放送の株に関してインサイダー取引をしていたとされており、村上ファンドの代表とともに経済産業省の官僚や日本経済新聞の記者なども逮捕されました。株価の動きを調査している機関によると、表に出てこないだけでおよそ30%ほどは不自然な株価の動きをしているとされており、インサイダー取引はいたるところで行われているのではないかという指摘もあります。
仮想通貨にはいまのところ規制がない
インサイダー取引についてどのようなものかをみてきました。ここからは、仮想通貨との関連について挙げていきます。
金融商品ではない
冒頭でも述べたように、仮想通貨ではインサイダー取引などの規制はないようです。そもそも仮想通貨は、日本国内ではまだ通貨ともモノとも明らかにされていません。これは世界的にも同じですが、通貨機能を有するとは認められているものの、完全に合法という明言は避けているのです。
つまり金融商品ではないということで規制が及ばないということが言われています。インサイダー取引が可能ということは、それだけ仮想通貨で儲かる機会が多くなるということは言えますね。情報をいち早く得た人が有利になるケースが多くなるということです。
また、先に少し触れたように情報の真偽についても精査しなければなりません。情報過多の現在だからこそ、偽の情報も多いということですね。
すべてにおいて発展途上
仮想通貨はインサイダー取引の規制が及ばないと述べましたが、仮想通貨に関してはまだまだ発展途上ということが一番に言えます。世界的にはっきりと明言している国はないと述べましたが、様子をうかがっているというのが本音でもあるでしょう。本来仮想通貨は法定通貨を扱う権限を持っている政府や中央銀行にとってうれしいものではありません。
しかし、フィンテックの発展がすさまじく市場規模の拡大が無視できなくなってきたことや犯罪に使われることが懸念されて法整備を始めているということです。規制に関しては明確に禁止している国もあります。今後の普及の動向なども法整備に影響していくとされているので、これらの情報もできる限り早く集めたいものですね。
インサイダー情報のメリットとデメリット
では次は、インサイダー情報を得ることで仮想通貨への投資にどのようなメリットやデメリットがあるのかをみていきましょう。メリットとデメリットの主なものをそれぞれ挙げていきます。
インサイダー情報によって仕込みのタイミングが得られる
株なども同様ですが、本来はこれから上がると見込んで予め仕込んでおくという方法が一般的な方法の1つですね。しかし、インサイダー情報があれば見込みではなく確信に近い形で仕込みができます。投入できる額も変わると思うので、利益も左右されますね。
過去には、取引所で新しく扱う仮想通貨の情報を早く得た人がその仮想通貨を別の取引所で買っておいて利益を上げることに成功したという例もあるようです。取引所での扱いが増えればそれだけ普及が広がるということであり、レートの上昇は高確率ですね。扱い始めは特にレートも上昇するでしょう。
そこで売り抜けることで大きく儲かるとされています。
知らないと大きな損失を被る場合も
インサイダー情報は真偽が重要と述べましたが、集団や組織によって偽の情報が流される場合もあるということです。直接的な情報でなくとも、その徴候を出すこともできます。よく挙げられるのは新規の仮想通貨ですね。
プレセールで安く買っておけば後々上がるという話を聞いたことはないでしょうか。その時点ではすでにタイミングとしては遅く、回収しきれないというケースも多いようです。ネットワークビジネスなどのように、本当に初期に関わった人のみ儲かるというケースが多いとされています。
仮想通貨とインサイダー取引の今後
最後は、仮想通貨とインサイダー取引の今後についてみていきましょう。規制が進むのか進まないのか、双方のポイントを挙げていきます。
法整備が進めば明文化される?
仮想通貨法が施行されたことで取引所の規制が強くなり、消費者保護の面では整備が進みました。しかし、犯罪の防止など必要に迫られてという感も強く、積極的に整備がされたとは言えないようです。
これから法整備が進んでいくとすれば、仮想通貨の法的な扱いも明文化され、インサイダー取引に関しても言及があるのではないかと言われています。まだまだ投資の面が強いので、支払い手段など日常での普及も合わせて必要と指摘されているようです。
非中央集権などの特徴はどうなるか
法整備に関しては、仮想通貨の特徴からあまり進まないとも言われています。仮想通貨の大きな特徴と言える、非中央集権ですね。特定の管理者がいないということが革命的と称され発展や普及してきた仮想通貨なので、規制するということは管理下に置かれるということになります。
これらのことから規制は進まないとされていますが、仮想通貨の種類は増えて特徴も多様化しています。それらも含めて今後が注視されるということのようです。
まとめ
今回は仮想通貨とインサイダー取引について、インサイダー取引の概要や仮想通貨との関連を紹介してきましたがいかがでしたか?情報を知っている者が強いというのは大昔から変わりませんが、情報過多の現在では情報の取捨選択が重要と言われています。リスク回避の面はもとより、儲かるようにしていくためにも情報収集は重要ということですね。積極的に情報を集めて、適切に取捨選択をすることで利益を上げていきたいものです。