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知っておいて損はない?フレンチのマナー
フレンチレストラン。単語を聞くだけで人によってはひるんでしまいそうな力がありますよね。
「なんだか難しいマナーがいろいろある」「料理がちょっとずつ出てきてじれったい」
人それぞれ思うことはあるかもしれませんが、キメたいデートや記念日、単純になにか美味しいものを食べたいと言う時・・・使い方を知っていると便利なのがフレンチレストラン。
すごく特別感のあるレストランは嫌な気分をふっとばし、嬉しい気持ちは増幅させ、なんでもない日常を特別にしてくれる食のテーマパークと言えるでしょう。
マナーと聞くとなんだか小難しいイメージですが、たとえばディズニーランドに行くときにもファストパスをとる、並んでない乗り物から乗る、お昼は時間をずらすなどのテクニックがあるように、フレンチレストランも愉しむためのテクニックがあると思えば気が楽になりませんか?
一度体得してしまえば次に行くときからは何の気兼ねもなく、行きたいときに行けるようになるはず。これをきっかけにぜひフレンチレストランをライフスタイルの一部に取り入れて、生活をより豊かにしてみましょう。
フレンチは準備も気を抜かず!
フレンチに行くなら準備から気を抜けません。お店へ行く前からしっかりと計画を立てておく必要があります。いったいどんなことに気を付ければよいのでしょうか?確認してみましょう。
まずはなによりも予約
まずはお店にいくまでについてです。フレンチレストランに限らず飲食店に行くときは準備もぬかりなく。人気店であれば飛び込みで言っても入れる可能性は低いですし、せっかく行っても準備不足で楽しめないのは損だと思いませんか?
では具体的にどんな準備が必要なのでしょうか?
まず最低限必要なのは予約です。フレンチレストランはそもそも予約をしないと入れないお店も少なくありません。これは別に一見さんお断りとかいうことではなく、予約でお客さんの数を事前に把握することで食材のロスを減らし、毎日の営業に全力投球できるからなんです。
特にコース料理は出すメニューも決まっているわけですから、予約をコントロールできれば食材はロスしなくなり、その分原料の質をあげたり、ひとつひとつの手間を増やしたりと効率よく作業しながらクオリティを高めていけるわけです。
わたしたちお客さんはただ美味しい料理が出てくることを信じて予約の電話をかければよいだけ。行きたい日にちと日時、時間だけ伝えればいいわけですから何の苦でもありません。最近ではウェブを通した予約も充実しています。
ただし、予約は堅い言い方をすればお店と我々消費者との契約です。書類を書いてハンコを押したわけではありませんから法的な拘束力は少ないですが、当然キャンセルするなら事前にお店に伝え、ドタキャンともなれば場合によってはキャンセル料を請求される可能性もあります。
特に団体での予約は、場合によっては他のお客さんを断って席を取っておいてもらってるわけですから責任は重大。身体を壊したり、身内の不幸があれば仕方がないですが、一度予約して直前になったらよほどのことが無い限りキャンセルするようなことは無いようにしたいですね。
服装をキメる
最近ではドレスコードまで定めているレストランは高級店でも減ってきています。そこまで形式的なことを気にせず美味しいものを提供してくれるお店もありますが、それでもあまりにも場から浮いてしまう格好は他のお客さんの印象にも関わってきてしまいます。
最低限余所行きの恰好をしていくことは気を付けたいところです。
お店によってはある程度きちんとした格好で行くのが望ましい場合もありますし、一緒に行く相手にもよりますよね。特別な日のデートならやはりある程度は気合を入れたいものです。
ひとつ注意したいのは香水。香水は料理の味に影響するだけでなく、周りのお客さんからも嫌目顔をされる可能性もあります。つけるなとは言いませんが、近づけばほんのり香る程度におさえておくのが大切だと思います。
フレンチは入店から着席までもマナーがいっぱい?
さて、予約ができて服装も決まり、いざ当日になりました。慣れていない方は前日の夜辺りから少し緊張がはしるかもしれません。でもその緊張感もある意味では楽しむためのエッセンス。もうすでにフレンチレストランの楽しみは始まっているともいえます。日常的にそんなに緊張してお店に行くことも少ないわけですから、すでに非日常的な体験がスタートしているんですね。
では、いよいよお店に着いたとしましょう。頭の中はフォークの使い方やオーダーをどうするかで頭がいっぱい・・・。ここでいったん落ち着きましょう。フレンチレストランは扉を開けた瞬間からその立ち振る舞いが問われます。
席に着くまでのあいだも覚えておきたいポイントがいくつかあるので順を追ってみていきましょう。
入店する
入店する際は男性が扉を開けて女性を中に導き入れます。フレンチレストランとはいわずもがなフランス料理店のことですが、フランスに限らず西洋ではレディファーストが常識です。いついかなるときでも女性を先に導くのが男性の役目となります。お店への第一歩を踏み入れるのも女性が先に、というのが基本。
ただしそのあとお店の人に予約の確認をするのは男性の役割。基本的にはお店の人にこ声をかけたりという仕切りの役割は男性というわけです。
この後お店の人が席までエスコートしてくれる場合は女性がお店の人の次に、お店の人が案内しないような場合なら男性が先頭に立ってエスコートし、女性を最初に座らせてから男性が着席します。
コートや帽子は脱いでから?
厳密にいうとお店に入る時点でコートや帽子を身に着けている方は外してから入店するのが好ましいとされています。これはレストランを他人の家と考え、よそ様の家にお邪魔するときはコートや帽子は脱いでからというのが基本のため。
とはいえここまで細かい点を気にする人はそこまで多くないので、あくまで好ましいという感じで覚えておくと良いでしょう。
席順は?
上座下座という言葉があります。本的には目上の人が上座。これは辺り前なのですが、レディーファーストにおいては女性が上座に座ります。
上座は本的にはお店の入り口から遠い方と定義されています。構造上見分けがつかない場合はお店の人が先に椅子を引いた方とされています。
着席時
さて、いざ着席ですが細かい点でひとつ。実は椅子に座るときは椅子の左側から座るのが正式と言われています。これはあまり意識されていないマナーですが、もし余裕があれば頭に入れておきましょう。
着席したら足を揃えて(くれぐれもくまないように。みっともないです)座り、バックなどがあれば椅子の左側におきます。場合によってはお店の方が預かってくれることもありますね。
ナプキンを膝へおく
よくフレンチなどにいって最初に戸惑うのがナプキンの存在です。テーブルに整然と並べられたナプキンは口や手をふくためのもので、食事中は膝においておきます。ゲスト全員がテーブルについたらナプキンを二つ折りにしてひざに置きます。
このさいに折り目が自分の方を向くように折りたたむといざ口をふく時にスムースに使用することが出来ます。また、食事中に席を立つ場合はナプキンを椅子において席を立つようにします。
オーダーにはセンスが問われる
着席まですんだらいよいよオーダーに移ります。「いかがなさいましょうか?」そんな言葉が重くのしかかることもあるかもしれません。
メニューをみてもよくわからないし、食べ物はともかくワインなんてもってのほか・・・そんな時にも焦る必要はありません。そこそこレストラン慣れしている人でもワインの銘柄を全て理解している人なんてほとんどいません。では、どうやってオーダーをすればよいのか、要点だけ押さえてみましょうか。
まずはドリンクを注文
いきなり難関ですが、まずは飲み物を注文するのが基本です。いきなりそんなこと言われても・・・と思うかもしれませんが、はじめの一杯目はアペリティフ、つまり食前酒を頼むことになります。食前酒とは食事の前や前菜をつまみながら飲む軽めのお酒で、ワインならスパークリングワイン、カクテルがよければキールやキールロワイヤルといったものを頼むのが一般的。フレンチならシャンパンを提供する事が多いでしょう。
お酒が飲めなければミネラルウォーターやジュースでももちろん構いません。レストランはお水は基本的に有料です。これは別にぼったくっているわけではなく、そもそも使用しているお水がそのものが有料(水道水ではない)だからその代金を頂戴しているということになります。
追加のドリンクオーダー
追加でドリンクを頼むときはどうすればよいでしょうか?正直一番簡単なのは店員さんにお任せする事です。最近ではドリンクもセットでコースに組み込むお店も少なくないですが、そうでなくとも「料理に合わせてお任せしたいのですが」といえばむこうからいくつか提案してくれたり、コースを即興で組み立ててくれます。
飲める量や予算を相談してはじめにドリンクの見通しも立ててしまうとラクチンです。もちろんグラスが空になるタイミングでその都度頼んでも大丈夫です。
いずれにせよある程度お任せしていく感じを出すことで、店員さんも信頼されていると思って張り切りますし、連れの方にも自分的にも失敗したなと思うことは少なくなるはずです。
料理のオーダー
飲み物の方向性が決まったら次はお料理です。レストランですからこちらが主役、まだまだ気は抜けません。しかしドリンクと同様に料理もある程度の法則が存在します。これをおさえておけば後は好みで選ぶだけになります。
コースとアラカルト
まず大前提としてコースかアラカルトかを決めなければなりません。
コースはお店が代わりないしは定期的に入れ替えているあらかじめ待ったメニューを提供するプランのようなものです。レストランの中では原則コースのみをサービスするお店もあるように、コースはレストランの醍醐味でもあります。
値段が定まっている、その時一番オススメの食材や料理を提供してくれる、選ぶ手間がないなどお客さん側としてのメリットも大きく、むしろレストラン慣れしている人こそコースを選ぶような気がします。
デメリットとしてはどれくらいの量が来るのかお店によって差がある、苦手な食材が入っているかもしれないなどが挙げられますが、どちらも事前に言っておけば対処してくれます。
お店によってはコースをいくつか用意していたり、前菜からデザートまで抜かりないフルコースと途中省略して量を調節したコースなどもある場合があります。ちなみにコースは事前予約をお願いされることも多いですね。
アラカルト
アラカルトは単品でその場で注文する形式です。なじみ深い言い方をすれば席だけ予約のようなもので、頼むものはその場でのつど決めますという形式です。
レストランによっては食材の管理の問題もあり、アラカルトが無かったり、かなり限定されていたりします。逆にアラカルトに乗せるようなものはそのお店の定番として間違いないものばかりという見方も出来るかもしれません。
結局どちらがよい?
予算や食べたい量との相談にもなりますが、どちらかというコースの方がお得感は強いと思います。アラカルトで頼みたいものがあればコースを少なめのものにして、アラカルトで追加という方法もありますから、一緒に行く人が他にいればその人と事前に相談しておくとスムースにことが進むでしょう。
いざ実食!フォーク、お皿、パン…マナーがたくさん?
さて、いよいよ注文が終り、食前酒での乾杯を済ませ、一皿目の前菜がテーブルに運ばれてきました。実際、多くの人が想像するフレンチのマナーの分からない部分は食事中にあるのではないでしょうか?
食事中に気を付けるポイントやカトラリー(フォークやナイフ)の使い方まで、覚えて置きたい点をみていきましょう。
ちなみに乾杯をするさいはグラス同士をカーンとぶつけることがないように。居酒屋のジョッキと違ってワイングラスなどは割れやすく、またレストランによっては高価なものを使っていることも多いため割れないように細心の注意を払いながら、相手の眼を見て軽くグラスをあげるくらいにとどめると良いでしょう。
まず最初に、食べるスピードに気を付ける
これは特に男性が意識すべきポイントです。特に男女での食事となると女性の方が食べるスピートは遅く、男性がすぐに食べ終わって女性が食べ終わるのを待つという構図になりがち。
あたたかいものはあたたかいうちに、つめたいものつめたいうちに。料理は出来立てが一番なのは和洋中変わることは無い普遍的な事実ですが、特に洋食においてはそれよりも優先しなければならないのが女性への気遣い。自分の食べるスピードが遅いのかも・・・というような余計な心配をさせないように、男性は早く食べすぎたなと思ったら最後の一口だけ残しておいたり、ワインで場を繋ぐことでなるべく女性に食べるスピードを合わせます。
男性にとってはなかなか辛い気遣いにはなりますが、レストランの人は次の料理を出すタイミングを見計らうために常にテーブル全員の料理の進み具合を見ています。テーブル内での進み方に差があるのないのとでは、特に何か言われるわけではないにしても同時に終わらせるタイミングの方が理想的。
特にそのレストランを気に入って馴染になりたいなと思うような良いお店であるほど、このような細かい気遣いは実践したいところ。もちろん相手の女性もその気遣いに気づかなくても、なんとなくペースがあうな、と感じてくれるはずです。
カトラリーの使う順番
カトラリーとはナイフやフォークのような食器のことですが、フレンチで一番戸惑うのは席に着いた時にはすでに並べられている大量のカトラリー。一本だけでなくそれぞれ何本も置かれているので、どれを使うの?と思う方は多いはず。
しかし一見ややこしそうなカトラリーの使い方には簡単な法則があります。それはズバリ外側から順番に使うこと。味が移ることが無いようにフレンチでは一皿ごとにナイフとフォークは変えていきます。食べ終わったお皿を下げるのと同時にそのとき使ったカトラリーは下げられるので、次のお皿がきたらまた端にあるカトラリーを使います。
これを繰り返すと最後はテーブルにカトラリーは残らないはず。中にはスプーンしか使わない皿、フォークしか使わない皿などもあるので、必ず毎回すべて一つずつ使うわけではありませんが、大抵の場合はサービスの人が説明してくれるはずです。それに万一余分に使っていたら補充してくれますからご安心を。
もし食事中にナイフやフォークを落としてしまったら自分で拾ってはいけません。日本人は特にこういうときに申し訳なさが先だって進んで拾いがちですが、これは原則レストランの人の仕事になります。
コースの順番
コースを楽しめるようになるためにも、ここでコースの順番を把握しておきましょう。それぞれのお皿でちょっとしたポイントもありますのであわせて確認していきます。
オードブル
オードブルは"作品の外"という意味のフランス語で、コース料理においてもっともはじめに出される一皿。前菜と言い換えてもよいかもしれません。
食前酒とあわせて頂く軽めの一皿で、居酒屋で言うお通しに近いような感覚になります。日本でオードブルというと軽めの品が盛合されたパーティメニューなどを想像しますが、あれとは少し感覚が違うかもしれませんね。
その日に初めて提供されるお皿だけあり、料理人の個性が繁栄される部分でもあります。中には特殊な食べ方を要求するようなものもあるかもしれませんが、ちゃんとサービスの方が説明してくれるので安心してください。
お店によってはこれよりさらに前にアミューズ、つまりお通しを別に提供する場合もありますね。
スープ
ポタージュやコンソメのようなスープ料理が続きます。スープはフルコースにおいては立派な食事のひとつ。特に食べ方にも作法があるので注意しましょう。
スープはフランスとイギリスでそれぞれスプーンの動かし方の決まりが異なっています。フランスの場合は奥から手間へスープを掬い取り、食べる様にしっかりと口の中へ流し込みます。くれぐれもズズっとすすってはいけません。飲むのではなく、食べると言うイメージで召し上がってみてください。
パンの存在
スープと同時にパンが出されることが多いですが、コース料理におけるパンは和食で言うお米とは意味合いが異なります。ここでいうパンはお腹を満たすためのものでなく、口直し的な役割が大きいです。チーズにクラッカーをつけることがありますか、あれと同じ感覚でしょうか。それ単体で味がしっかりしていたりして飽きたり、次の料理の邪魔にならないように食べるのが一般的。
お代わり出来ることもありますが、食べ過ぎてそれだけでお腹いっぱいにならないように注意しなければなりません。
ポワソン
ポワソンはお魚を使った料理で、メインディッシュのひとつです。焼いたり、蒸したりと様々な調理法があり、メインで使われる魚の種類や出したい味わいによって料理人が調理法を選択しています。
中には多少食べ方の複雑なものもありますが、これもサービスの方の説明をしっかりと聞いて食べてみましょう。
グラニテ・ソルベ
ここでお口直しが提供されることがあります。グラニテやソルベと呼ばれるシャーベットが一般的です。
ビアンドゥ
魚に続いて提供されるメインディッシュがお肉料理です。牛、羊、鴨にうさぎやきじなどその種類は多種多様で、日本人にはあまり馴染のないお肉もあたりまえに使われるのがフレンチの面白さかもしれません。
調理法もさまざまで、ソースなどがかけられている場合は浸しながら頂きます。だいたいはフォークを使って切りながら食べますが、最初にすべて切り分けてしまうのはマナー違反。冷めるのも早くなりますし、味にも影響します。フルコースは時間に追われずゆっくり愉しむものですから、手間を惜しまず食べましょう。
レギューム
レギュームはサラダのことです。肉料理と一緒に提供されることが多いですが、多少順番が前後することもあります。
フロマージュ
フロマージュはチーズのことです。フレンチでは食後のデザートにうつるタイミングで切り替えの意図もかねてチーズを提供します。盛り合わせで来る場合や選ばせてくれる場合などがあります。分からなければ好みの味を伝えて選んでもらいましょう。
好みの味が分からなければオススメを聞いて試してみるのもアリですが、どうしても分からなければ「本格的なチーズはあまり食べたことが無いので食べやすいものを」といって選んで貰うと良いかもしれません。
デセール
デセールはデザートです。コースもいよいよ大詰め、ある意味でコースにおける第二のメインがこのデザートです。デザートはお店によって様々な演出の仕方があり、デザートだけをひとつのコースのようにして何皿か提供してくれたり、一皿に何酒類かをまとめて提供してくれたりします。
お店の趣向を凝らした品の数々は女性はもちろん、男性にもウケるような計算された味わいで、ブランデーやデザートワインのような食後酒とあわせて楽しむことでより味わいを増幅できます。余裕のある方はぜひ試してみましょう。
コーヒー・紅茶とプチフール
全てのコースを済ませて最後の〆と提供されるのがコーヒー・紅茶とプチフールです。食後の飲み物とちょっとした小菓子になります。エスプレッソや紅茶などの選択肢が与えられれば自由に選んで楽しみます。
フレンチのコースは長い時間をかけて一皿一皿の演出がなされていきます。慣れていないとじれったいと思うかもしれませんが、そのひとつひとつにはすべて意味があり、基本的な型はありますが、細かいところはお店がそれぞれのコンセプトや提供したいサービスを検討して決定されていきます。
慣れてくると、この料理にはどんな意味があるんだろう、これはどんな演出なんだろう、というところまで楽しめると思います。まるで演劇や絵画を見に来ているような楽しみがコース料理にはあるんですね。ぜひたくさん挑戦して、そんなところまで楽しめるようになってみてくださいね。
マナーを守ってスマートに退店!家に着くまでがフレンチ
さて、全てのお皿が提供され、食べ終わって一息つきました。名残惜しさもありますがそろそろお店から出て行かなければなりません。そうなると次に待っているのが御会計です。この御会計が意外とクセモノで、慣れていない人にとっては一瞬戸惑いが生まれます。特にファミレス慣れしているような方がいきなりレストランなどに行くと。そもそもレジはどこ?となることがあります。
基本的にレストランの御会計はテーブルごとに行います。テーブルの人が全員食べ終わって一息ついているタイミングをサービスの人は見逃しません。そろそろ御会計が必要になると身構えています。ですから近場のサービスの方に声をかけて「チェックをお願いします」「御会計をお願いします」と声をかければ、すかさず御会計を持ってきてくれます。
あとはその場で金額を支払うか(もちろんおつりが出ても大丈夫です)カードで支払うのも手段の一つです。ここでいくつか注意点を挙げておます。
カードは手数料がかかる
これは本来お客さん側はにする必要もないことですが、クレジットカードはお店側に負担がかかります。お会計の内数%をクレジットカード会社に支払わなければならないからです。
ポイントカードがたまる、現金の持ち合わせがないなど、カードを使う理由は様々ですが、一応頭の片隅には入れておきたい事実です。人によっては五千円以下、一万円以下の会計をカードで済ませるのはマナー違反と捉える方もいると聞きます。
一方でお札などを数える必要もなくスムーズに会計できるカードを好む人が多いのも事実で、あまり気にし過ぎる必要もないかもしれません。
会計はなまとめて行う
レストランでは個別会計は基本的にはうけつけてくれませんが、テーブルの人で割り勘する場合もあると思います。そんな時はとりあえず店内では代表者がまとめて支払うようにしましょう。その場で何枚もの札束を重ねて計算したり、人によっては両替を頼むような人もいますが、あまりスマートな行為には見ません。
ビジネスで利用する場合
例外としてビジネスで利用している場合は、テーブルに御会計を頼まず、直接店員さんにお願いしてその場で払うことも考えられます。
これは招待した人などに余計な気遣いをさせないビジネスマンとしてのマナーですが、お店によってはとても小さいお店で、テーブルからお客さんが立ってお会計をしようとすると他のお客さんの迷惑になることもあります。そんな時は出来ればテーブルでお会計を済ませるか、事前にお店の人に事情を説明して、スマートな会計方法を提案してもらうと良いと思います。
退席
ナプキンは適当に置く
いよいよ席を立ちます。ここでひとつポイントが。それは膝にかけていたナプキンの存在。几帳面な人はついついたたんでナプキンをテーブルに置きたくなりますが、一応伝統的なフレンチのマナーでは満足した食事・サービスに対してはナプキンを適当に畳んで置いていくことがキチンとナプキンをたたむのも忘れるくらい素敵な時間だったという意思表示になるとされているので、ちょっと気を遣ってみてもいいかもしれませんね。
退席もレディーファースト
席を立ってお店を出るまでもレディーファーストを貫ければなおよし。サービスの人が案内してくれるのが基本ですが、そうでない場合は男性が先頭にたつようにしましょう。
積極的にチャレンシしよう
レストランでのマナーはこうやって書きだすと非常にわずらわしく感じるかもしれませんが、はじめからすべてを完璧に守る必要はありません。よほど敷居の高い会食やこの手のマナーに厳しい方との食事ならまだしも、一般的にはある程度フレンチ慣れしている人でもここに挙げたことを完璧にこなせる人は少ないのではないでしょうか?
もっと言えば人によって考え方も違い、一概に必ずしもこれが正しいとはいいづらいのがマナーの世界です。大切なのは相手を思いやる心。ここでいう相手は一緒に行く人、お店の人両方に対しての心遣いです。
相手のことを考えたふるまいが出来ればそれでいいのです。細かいことは少しずつ覚えて、そのうちに自然とできるようになれば問題ありません。はじめのうちは実践を積むのみといえるでしょう。
フレンチを楽しんでみよう
いかがでしたでしょうか?
こうやって見てみるとやっぱりフレンチは面倒くさいと感じる人も少なくないかもしれません。
しかし、フレンチに限らず物事は一見ややこしくてめんどうな様なものこそ裏を返せば奥深く、楽しめる余地をたくさん持っているともいえます。
ぜひ積極的にフレンチのマナーを体得して、億せずフレンチに赴けるようになれば楽しみも増えるのではないでしょうか?ぜひ挑戦してみてくださいね。