風邪の症状として代表的な咳ですが、風邪が治ったと思ってもなかなか治まらないこと、ありませんか?実はそれ、思わぬ病気が原因しているかもしれません。
今回は、咳が止まらないときに考えられる原因や対処法などについて詳しくご紹介していきたいと思います。
さっと読める目次
咳が止まらない原因
咳というのは、呼吸のために使われる気道に異物が入り込んだときや、ウイルスなどから攻撃を受けたときに発生します。防御反応の一種であり、淡を出すという役割もあります。基本的には体の状態を正常に保つための反応であり、一定の期間で徐々に治まるのが自然なのですが、まれに長引いてなかなか止まらなくなることがあります。日常生活に支障をきたすほどひどい咳が続くと、とても辛いですよね。
中でも、以下のような症状があると単なる風邪が原因ではない可能性があります。
・乾いた咳が止まらない
・3週間以上咳が続いている
・ストレスがたまっている
素人目にはどうしても判断が難しいので、少しでも不安に思ったら医療機関を受診してみると良いかもしれません。
夜に咳が止まらなくなるのは何故?
咳がなかなか治まらない上に、夜になると一層ひどくなるということはよくありますよね。ではなぜそのようなことが起きるのか、ご説明します。
気道が狭くなる
夜寝る時には、多くの人が横になると思います。そうすると自然と気道が狭くなってしまうため、気道が刺激を受けやすくなり咳が出やすくなってしまうのです。試しに体を起こしぎみにしてみると、かなり楽になることが分かると思います。夜になると、交感神経よりもリラックスするときの副交感神経が活発になることから、筋肉を緩め気道を狭くしてしまうとも言われています。また、風邪をひいているときには咳以外にも鼻水が出やすくなると思うのですが、仰向けの姿勢だと鼻水や痰が気道に入りやすくなってしまうため、咳の原因になることもあります。
ダニや細菌によるアレルギー
布団には、目に見えないながらもダニや細菌などがたくさん潜んでいることが多いです。夜寝るときにはもちろん布団と密着しますので、寝ている間にそれらを吸い込んでしまうことでアレルギー症状として咳が出ることがあります。咳だけでなく、くしゃみや鼻水などの症状も一緒に出ることがあります。
寒暖差アレルギー
寒暖差が異常に大きいと、アレルギーとなり咳が出ることがあります。寒暖差アレルギーが疑われる場合は、なるべく温かい格好をして寝たりと、服装に気を使ってみましょう。
咳が止まらなくなる病気
咳がなかなか止まらない場合、風邪ではなく何らかの病気が原因となっている可能性があります。咳が続いている期間によって考えられる病気は変わってきますので、注意してみてください。
急性気管支炎
急性気管支炎は、風邪をひいた後気道から気管支まで炎症が広がってしまっている状態のことを指します。気管支の粘膜にウイルスなどが感染することで気管支炎を発症し、咳や痰が多く出るようになります。呼吸が苦しかったり、倦怠感がひどい場合には急性気管支炎の疑いがあります。
なお、3か月以上これらの症状が続いている場合には慢性気管支炎の扱いになります。
急性肺炎
風邪と肺炎の症状はよく似ており、風邪かと思いきや肺炎だったというケースもあります。どちらも発熱を伴うことが多いのですが、風邪の場合は長くても3日程で落ち着くのに比べて、肺炎の場合は4日以上続くことがあります。肺炎になると、咳に加えて息苦しさや粘り気のある淡が出るようになるのが特徴です。
アレルギー性気管支炎
アレルギー性気管支炎は、風邪のあとに引き起こすことが多いといわれている症状です。風邪の影響で気管支が弱くなっているときにダニやハウスダストなどのアレルゲンが入り込み、咳などのアレルギー反応が出るようになります。風邪と間違えやすいのですが、アレルギー性気管支炎の場合は咳が長期間続きやすいという特徴があります。
副鼻腔炎
副鼻腔炎とは、いわゆる蓄膿症のことです。風邪をきっかけとして発症しやすい症状で、粘り気を帯びるようになった鼻水がのどの方へ流れていくことによって刺激となり、咳へと繋がります。ちなみに、この鼻水がのどへ流れてしまうことを後鼻漏といいます。
咳喘息
2か月以上咳が続いていたり、風邪が治ったと思っても咳だけが止まらないという場合には咳喘息の可能性があります。咳喘息は特にアレルギーのある人に多く、ハウスダストや温度差が原因となって発症することが多いです。何度も繰り返し再発してしまうことが多いので、一度不安に感じたらすぐに病院で診てもらうようにすると良いかもしれません。
咳が止まらない場合の対策
咳を止めるために効果的な方法についてご紹介します。なお、少しでも病気が疑われる場合は病院で診察を受けることをおすすめします。
温かい飲み物を飲む
喉が乾燥すると、咳が出やすくなってしまいます。そのため、飲み物を飲んで直接喉を潤してあげることが効果的です。咳のしすぎで喉が痛い、ということもあるかもしれませんが、温かい飲み物であれば飲みやすいのではないでしょうか?なお、冷たい飲み物を飲むと気管が締まってしまい、逆に咳が出やすくなってしまいますので注意しましょう。温かい飲み物であれば、湯気に加湿効果もあるのでおすすめですよ。
部屋を加湿する
喉の乾燥を防ぐためには、部屋自体の乾燥を防ぐことが大切です。特に冬場などはどうしても乾燥しがちなので、意識して加湿するようにしましょう。寝るときにもしっかりと加湿をすることで、夜に出やすい咳も抑えることが期待できます。
マスクをする
呼吸をすると、自然と喉は少しずつ乾燥してしまいます。喉の潤いを保つためには、マスクが効果的です。日中だけでなく、寝るときにもつけるようにすると乾燥を防ぐことができますよ。マスクをするときには、鼻と口を十分に覆えるサイズのものを選ぶようにしましょう。
横向きで寝る
仰向きで寝ると、気道が狭くなって咳が出やすくなってしまいます。そのため、横向きで寝るようにすると少し緩和されるようになります。
のど飴をなめる
のど飴は、喉を潤すだけでなく炎症を抑える効果のあるものもあります。痛みのある場合でも有効成分で緩和されることが期待できるので、咳が止まらないときにはぜひ常備しておきたいものです。
咳止めを飲む
咳止めは、薬局やドラッグストアなどでも手軽に購入することができます。どうしても咳が止まらなくて困っているという場合には、薬に頼るのも手段の一つです。なお、確実なのは医師の診察を受けてきちんと咳止めとして処方してもらうことです。
ちなみに、はちみつは咳止めとして効果があるとされています。スプーン1~2杯程度をそのまま食べても良いですし、お湯などに溶かして飲んでも良いでしょう。
ツボを押す
意外かもしれませんが、押すと咳が止まると言われているツボがあります。喉仏の下にある「天突」、肘の内側にある「尺沢」、尺沢から指3本分ずらしたところにある「孔最」です。
押しすぎは良くありませんが、良い加減で押すと即効性があるとのことです。いつでも行うことができるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
咳がなかなか止まらないと、苦しいし喉も痛くなってしまいますよね。
長期間治まらない咳は、ただの風邪ではなく何かしらの病気が原因している可能性があります。風邪から併発する病気も多いので、少しでも不安に感じたらすぐに病院で診察を受けてみましょう。また、応急処置として咳を和らげる方法を知っておくと安心かもしれません。