筆者はポケットWiFiを使用し始めてから、5ヶ月ほど経過しました。これまで10年以上無線LANを利用していたのですが、通信方式が変わってみると、「無線LANの方がよかった」「ポケットWiFiの方がいいな」と、良くも悪くも両者を比較することが頻繁にありました。
全体的に見て、本当に優れているのはどちらかと断定するのは難しい話ではありますが、部分的に見てみると、断定できるほどの差を見いだすこともありました。もっとこれらの通信方法の利用歴が長い方は星の数ほどいらっしゃるとは思いますが、私も最低限長期に渡って利用してきているので、今回は無線LANとポケットWiFiの二つを部分的に比較してみての体験談をお話ししようと思います。
機器のデザイン
スマートフォンと違って、通信を専門とした機器はデザインを重要視されることはあまりありませんし、重要視する人も少ないです。なぜかというと、スマートフォンであれば外に持ち出し、手に持って使うものですので、周りから見える時間は長いわけです。
スマートフォンの見た目を深くこだわる人がほとんどと言えるわけではないですが、周りから見えるので、最低限のデザインの良さを持たないといけません。つまり「地味」なデザインだったり、「ダサい」というようなデザインだと、これがいい!と良い第一印象をもって選んでもらえることは少ないのです。
このことが売り上げにつながっているため、スマートフォンであればデザインが重要視されているのです。第一印象は見た目の優劣で決まると言われているので、納得です。しかし、通信専門の機器は、その機器そのものを手に持って使うことはほとんどないので、利用者はデザインよりも機能性を重視します。
それは言うまでもなく開発者側であるメーカーはわかっているので、デザインは後回しで機能性を良くしようと開発を進めるのです。とてつもなく長い前置きでしたが、無線LANとポケットWiFiで比較すると、ポケットWiFiの方がデザインが優れていると感じました。
ポケットWiFiも外に持ち運ぶことがあるため、最低限のデザインの良さを出しておく必要があるので、それを考えると勝手に納得できました。スマートフォンと似ていますよね。無線LANは屋内でしか使わないので、デザインは悪くなくとも、どれも同じようなデザインになっています。
機能の中で最も重要な「通信速度」
無線LANもポケットWiFiも、ネット通信を行うのが仕事です。ということは、ネット通信という仕事そのものが遅くなり、利用者を待たせてイライラさせるということはあってはならないのです。わかりやすくいうと、通信速度が速くなくては何の意味もないということです。
この点を比較すると、通信会社にもよるものの、「無線LAN」と「ポケットWiFi」というまとめたものでのみ比較してみると、無線LANの方がわずかに速いと思います。これは筆者の推測ですが、無線LANの方が電波の届く強度が安定している傾向にあるのが理由です。
ポケットWiFiは、スマートフォンや携帯電話のように場所によって電波の強度に差が生じやすく、無線LANのように同じ場所に置き続けても、電波マークがずっと同じ数値とは限らないことがたまにあるのです。というわけで、無線LANの方が通信速度や安定性がわずかに上ではないかと思います。両者を使用してみると、筆者はどうもこの結論は変わらないのです。
コンパクトさ
ネット通信が本来の使用目的ですが、普段使うにしてもコンパクトさに優れていないと使いにくいですよね。機器そのもののサイズを見ると、小型の無線LANルータとポケットWiFiを比べてみても、明らかにポケットWiFiの方が小さく、コンパクトです。
ただ、筆者が今まで購入してきた無線LANのルーターは5台ほどあるのですが、その中で最も小さいものはポケットWiFiより1cmほど縦横が大きいだけで、大差が感じられないものでした。
「じゃあ、両者ひきわけか?」と思われるかもしれないですが、そう思われた方は、無線LANルーターに関して何か重要なことを忘れていませんか?それは「コード」です。コンセントにつなぐものとモデムにつなぐものが必要になり、それがないとネットがつながりません。
逆にポケットWiFiは、充電以外にはコードが必要ありません。ということは…無線LANルーター本体がコンパクトでも、結局その周辺は全然コンパクトではないのです。
まとめ
無線LANとポケットWiFiは、実際に使ってみて比較すると意外に「綱引きで決着がつかない長期戦状態」のようになり、優劣がつけにくいかと筆者は思います。
どちらを購入しようか迷っているのであれば、無線LANを使用している友人やポケットWiFiを使用している友人から、直に感想を聞くのがいいかもしれません。また、今回の内容は、筆者が使用してきた機器の感想を元にお話ししたものなので、機器のメーカーや通信会社によって、優劣が異なってくるかもしれません。