「万年筆は書きにくい」「万年筆は敷居が高い」「低価格の万年筆なんてないんでしょ?
」と考えている人が、世間では非常に多いと思います。
ですが今、低価格の万年筆を中心に万年筆ブームが来ているのです。
手軽に買えて使いやすい万年筆を試してみませんか?
万年筆の人気の理由とは?
筆記用具にもさまざまなものがあります。
えんぴつ、シャーペン、ボールペン、サインペンなど、用途によって使い分けている人も多いことでしょう。
実は最近、万年筆の人気が非常に上がっているのです。
万年筆の人気の理由を見ていきましょう。
「万年」使える!
「万年筆」というくらいですから、万年筆は何年にも渡って使うことが出来ます。
一つの道具を長く使うことで愛着がわきますね。
使えば使うほど好きになっていく筆記用具なのです。
書き心地がいい
万年筆のペン先は金属です。
そのため、カリカリとひっかかるような書き心地なのではないかと思う人もいるかもしれません。
実は万年筆の書き心地はスルスルとして書き心地がいいものなんですよ。
インクの出の良い万年筆は「ヌルヌルと滑るように書ける」と形容されるものもあります。
メーカーによって書いた感触は異なりますので、いろいろ試してみるのも面白いですね。
安価な万年筆が増えた
万年筆といえば効果なもの、というイメージがあるかもしれません。
大学入学や成人のお祝いにプレゼントされたことがある人もいるかもしれませんね。
実は最近では文房具店や東急ハンズ、ロフトなどで気軽に購入できる、安価な万年筆が増えているんです。
さまざまなインク、紙との取り合わせを楽しめる
万年筆はさまざまなメーカーからさまざまなインクが出ています。
同じ青でも微妙に色味が違って見えたりします。
メーカーの限定インクや文具店のオリジナルインクなど、さまざまなインクがあるのも万年筆の魅力の一つです。
また、同じインクでもノートが変われば書き心地や発色が違って見えるというのも面白いところ。
万年筆に合うノートを探すというのも楽しみ方の一つです。
おしゃれに見える
ちょっと本格的な万年筆や、スタイリッシュな万年筆を持つと、それだけでおしゃれに見えたり、仕事が出来そうな雰囲気に見えます。
スーツやシステム手帳、カバン、靴などにこだわりを持つ人は多いですが、欧米では筆記用具にもこだわりを持つ人が多いのです。
若者向けや女性向けのデザインの万年筆も多いんですよ。
所有欲を満たせる
万年筆にハマってしまう人の中には、数十本ものコレクションをする人がいます。
安価なモデルでも色違いのものを全色揃えてしまったり、好きなメーカーの万年筆の限定モデルを買ったりと言ったことでも所有欲を満たすことが出来ますよ。
万年筆は「持つだけで満足できる筆記用具」なのです。
万年筆のメリット・デメリット
万年筆を使う上でのメリットやデメリットを見ていきましょう。
メリット1:万年筆は筆圧をかけずに書ける!
万年筆のメリットはどのようなものがあるでしょうか?
万年筆の最大のメリットは「筆圧がいらない」というものがあります。
紙に押し付けてペン先のボールを回転させるボールペンと違い、万年筆は「毛細管現象」という物理現象によってインクがペン先から出てきます。
そのため、力をかけずに書くことが出来るのです。
万年筆で書くことに慣れてしまった人の中には、「万年筆の方がボールペンより楽」「万年筆の力加減に慣れてしまったから、ボールペンが使えない」という印象を持つ人も多いようです。
メリット2:持ち主に「なじむ」筆記用具
ボールペンは誰が使っても同じ書き心地になりますが、万年筆はそうではありません。
万年筆のペン先(「ニブ」と言います)には小さな金属のチップがついています。
万年筆を使っていくうちに、このチップが持ち主のくせに合わせて少しずつ削れていきます。
持ち主になじむ筆記用具というのは、万年筆をおいて他にありません。
そのため、持ち主以外の人が万年筆を使っても満足の行く書き心地にはなりません。
握り心地、書き心地などはその万年筆の持ち主になじんで行くのです。
使えば使うほど持ち主になじみ、無くてはならない相棒になっていきますよ。
メリット3:字が美しく書ける
万年筆はトメやハライなどが美しく出やすいと言われています。
そのため、万年筆を使って書くと字が美しく書けるといわれているのです。
デメリット1:価格が高い
万年筆の一番のデメリットとは、価格が高いということです。
ボールペンなどの筆記用具が100円程度で買えてしまうのに対し、万年筆は安いもので1000円から。
高いものでは数十万円、高級メーカーの限定モデルだと数百万円という価格のものもあります。
自分の予算に合わせて購入するとよいですね。
デメリット2:メンテナンスが必要
万年筆はしばらく使わないでおくと、ペン先のインクが乾いてしまい、書けなくなってしまいます。
この状態を「ドライアップ」と言います。
1日1分でも良いので、できるだけ毎日使うことが万年筆の一番のメンテナンスになります。
また、インクを交換する時や、あるいは数カ月に1回のペースで洗浄を行う必要があります。
手間はかかりますが、手間をかけた分だけ手に馴染み、愛着が湧くのが万年筆なのです。
デメリット3:扱いに注意しなければいけない
万年筆は衝撃に弱い筆記用具です。
落としてしまうことの無いように注意が必要です。
特にニブ(ペン先)が曲がってしまうと書けなくなってしまうので要注意。
文具店などでは万年筆の調整を行う「ペンクリニック」や「ペンドクター」などの企画をしている店舗があります。
修理だけでなく、より書きやすいペンにすることも可能ですよ。
「最初の1本」を選ぶポイントは?
万年筆の「最初の1本」を選ぶポイントをまとめておきましょう。
予算は?
万年筆はニブに使われている金属や軸の素材などによってさまざまな価格のものがあります。
- ニブ(ペン先):鉄、特殊合金、金(14K、18K、21K)がある。
- ペン軸:プラスチック、レジン、木、エボナイト、漆など
鉄ニブのペン(通称「鉄ペン」)のものは安価なものが多く、プラスチック軸のものも安価なものが多いです。
用途は?
「家の中だけで使う」「外にも持ち出してガンガン使う」「仕事中に使う」など、用途によって買い分けることも出来ます。
高価な万年筆を外に持ち出すのは気が引けるでしょうし、ビジネスの商談などでは高級な見た目のものがよいでしょう。
また、仕事のデスクでメモやアイデア出しで使うならば、軽くて取り回しやすいものがおすすめです。
「とっておきの一本」にするのか「とりあえずの一本」にするのか
1本目の万年筆というのは、選ぶにも買うにも勇気が必要です。
ある程度高価な価格のものを買って、より良い書き心地の「とっておきの一本」にするのか、万年筆に慣れるための「とりあえずの一本」にするのかによって、選ぶ万年筆は大きく変わってきます。
初心者におすすめの万年筆3選
万年筆初心者の方が、いきなり1万円以上の万年筆を選ぶのには勇気が必要なはず。
まずは万年筆初心者にオススメの安価な価格帯の万年筆を3つご紹介します。
パイロット「kakuno(カクノ)」
参考価格:1000円
万年筆ブームの火付け役となった、パイロットの「kakuno(カクノ)」。
元々は子供用に作られており、軽くてカラフルなプラスチック軸、スマイルマークのプリントされたニブなどが特徴です。
発売開始当初から万年筆好きな大人からの絶大な人気によって売り切れ店が続出したことで話題になりました。
さまざまな色のインクカートリッジが使えるほか、ボトルインクを吸入する「コンバーター」も使えるということもあって、複数本持っている人もいるくらい。
書き心地は国産最大手のパイロットだけあって、滑らかな書き心地です。
プラチナ万年筆「Preppy(プレピー)」
参考価格:200?450円
普通の色ペン売り場に売られているという気軽さで人気があるのが、プラチナ万年筆の「Preppy」。
何とわずか200円程度で購入することが出来るというお手軽さ。
最も安く、本格的な万年筆の書き心地を味わえると評判の一本です。
1年たってもドライアップせずに使える「スリップシール機構」を採用しているため、ドライアップを気にせずに使えるというところもうれしいポイントです。
基本的にはカートリッジインク専用のモデルですが、実は好きなボトルインクを吸入できる「コンバーター」も使用できます。
最も安価で、長く楽しめる一本になること間違い無しです。
Pelikan「ペリカーノ・ジュニア」
参考価格:1500円
ドイツの万年筆メーカー、Pelikanの学童用万年筆「ペリカーノ・ジュニア」。
ヨーロッパでは小学生の頃から万年筆で書くのが普通。
このペリカーノ・ジュニアはまさにドイツの小学生が「初めての万年筆」として使う一本なのです。
Pelikanはモンブランと人気を二分するほどの世界的万年筆メーカーですから、使い心地は抜群です。
カラフルなプラスチック軸というのも魅力。
カラーラインナップも赤、青、黄色、緑と揃っているので、全部欲しくなってしまいます。
一般的な万年筆のカートリッジは、メーカー純正しか使えないのですが、ペリカーノ・ジュニアは「ヨーロッパ規格」を採用しているため、他社の「ヨーロッパ規格」のカートリッジインクも使うことが出来るのです。
本格派万年筆で有名な「モンブラン」「クロス」「ウォーターマン」「シェーファー」など、いろいろなインクを試せるのはうれしいですね。
万年筆は敷居の高い筆記用具ではない!
今日紹介した3本はどれも学童用。
でも、書き心地は本格的な万年筆にも決して劣ることはありません。
万年筆の入門編として購入して、万年筆の書き心地の良さと使いやすさをぜひ体験してみてくださいね。
ちなみに、この3種類の万年筆から万年筆にハマってしまった人は数知れず。
素敵な万年筆ライフをお過ごしくださいね。