ふるさと納税のメリットを活かすためには、寄附する限度額を超えないようにすることが重要ポイント。
納税の金額、ふるさと納税をどれくらい利用できるかは、シミュレーションサイトを利用することでおおまかな金額の把握が可能です。
このページでは、ふるさと納税の計算について、納税シミュレーションサイトの紹介やふるさと納税の寄附の限度額、寄附金控除額の計算方法をご説明したいと思います。
さっと読める目次
限度額計算はシミュレーションサイトを利用するのがおすすめ
収入に応じて限度額があるふるさと納税は、限度額以上の寄附をしても税金の控除は受けられず、自腹を切って寄附したのと変わらなくなり、節税のメリットが無くなります。
自治体からすれば、寄附は多いほど良いのですが、納税者がメリットを感じなければ、寄附する方も増えないでしょう。
ふるさと納税で地域を発展させて、納税者にもメリットがあるようにするには、限度額内に抑えて寄附することがポイントです。
ただ、限度額の正確な計算は複雑で、かなり手間がかかる面倒な作業です。
納税の計算方法は詳しく知らなくてもOK!
今はふるさと納税を紹介する、いろいろなポータルサイトができています。
ポータルサイトには限度額を自動でシミュレーションしてくれるサービスがあり、正確な計算方法を知らなくても、手軽にふるさと納税ができるようになっています。
還付・控除限度額計算シミュレーション
https://www.satofull.jp/static/calculation01.php
損をしないためには限度額の8割程度に留める
ふるさと納税は利用するとお得になる制度で、利用して損をしたのでは元も子もありません。
シミュレーションでざっくりした限度額を計算し、その限度額の8割くらいに留めておくと、まず損をすることはないので目安になります。
もちろん限度額ギリギリまで寄附した方が、節税効果は高くなりますが、複雑な計算をすることが億劫で、利用するのをためらうよりは断然良いと思います。
ふるさと納税の計算は控除額と限度額を分ける必要がある
ふるさと納税の控除額の計算
ふるさと納税の寄附金控除額を計算するためには、以下の3つの項目を計算することが必要です。
①所得税からの控除
(寄附金額-2,000円)×所得税の税率
②住民税からの控除(基本分)
(寄付金額-2,000円)×10%
③住民税からの控除(特例分)
(寄付金額-2,000円)×(100%-10%-所得税の税率)
一般的な寄附金の控除額の計算は①、②の項目のみですが、ふるさと納税の控除額では新たに③の項目が加えられています。
③の計算式で分かるように、寄附金額から①と②の控除割合を差し引いた総額になっています。
この計算法を単純に考えると寄附すればするほど、控除額が増えるように見えます。
※控除額:ふるさと納税に使って納税金額が減る額
控除額と限度額の計算は分けて考える
ふるさと納税の寄附金としてつかえる金額は、所得税からの差し引ける金額、住民税からの差し引ける金額(基本分、特例分)ごとに限度額が決められています。
限度額を超えて寄附してしまうと、ただの寄附となってしまい、税金が控除されるというメリットが無くなってしまいます。
そのため、寄附金の控除額と限度額の計算は分けて考える必要があります。
ふるさと納税の限度額の計算方法
ふるさと納税の計算方法をご説明いたします。
ふるさと納税で寄付した時に納税から差し控えれる金額の限度額は、それぞれ以下のように限度額が決められています。
①所得税からの控除限度額
総所得金額の40%
②住民税からの控除限度額(基本分)
総所得金額の30%
③住民税からの控除限度額(特例分)
住民税所得割額の2割
住民税は所得割と均等割に分かれており、所得割額は前年の所得金額に応じて納めるもので、総所得金額に対してかなり小さい金額になります。
控除額と限度額の計算式を比較して分かるのは、特例分の控除額が最大で80%ともっとも割合が高いのに対し、限度額はもっとも割合が低くなっています。
そのため、限度額を超えないようにするために計算するのが複雑になるのですが、逆に言えば住民税からの控除限度額(特例分)を超えることがなければ、他の項目が限度額をオーバーすることはありません。
つまり、納税の限度額を計算するときは、住民税からの控除限度額(特例分)のみで良く、その限度額内に収まるように寄附金額を決定すれば良いということになります。
ふるさと納税の寄附金で使える金額(控除される金額)と限度額の計算例
一般的なサラリーマンの平均年収400万円を基準に、実際のふるさと納税の寄附金で使える金額(控除額)と限度額を計算してみます。
住民税(特例分)で使える金額の計算例
課税対象額となるのは給与所得控除後の金額になるため、400万円の給与としては300万円ほどになりますので、300万円の課税対象額で計算してみます。
住民税からの控除限度額(特例分)は、すべての所得控除後の金額に10%をかけた金額なので、住民税の約2割になります
そのため住民税の特例分のふるさと納税の限度額は、住民税の2割を目安にすれば良いということになります
住民税は給与所得控除、基礎控除、配偶者控除、扶養控除などのすべての所得控除後の金額が基準になります。
仮に独身者の場合では、およそ230万円。(家族がいる場合は増えます)になります。
住民税からの控除限度額(特例分)は
230万円×10%×20%=46,000円
年収400万円の独身サラリーマンの住民税からの控除限度額(特例分)は46,000円使えるということになります。
ふるさと納税の限度額の計算
住民税の控除限度額(特例分)が46,000円とした場合のふるさと納税の限度額の計算をしてみます。
住民税からの控除限度額(特例分)の以下の計算式になります
年収400万円の場合は所得税率10%なので、
(寄附金額-2,000円)×80%≦46,000円
寄附金額=46,000円÷0.8+2,000円=59,500円
つまり、年収400万円のふるさと納税の限度額は59,500円です。
実際には1,000円単位で寄附することが多いので、寄附金の限度額は59,000円となります。
寄付金控除額は2,000円を差し引いた57,000円となるわけです。
他の項目もチェックしてみる
ふるさと納税の寄附金控除額を計算するために必要な他の項目についても、限度額を超えていないか、一応確認しておきます。
所得税からの控除
所得税からの控除は以下の計算式となります。
(寄附金額-2,000円)×所得税の税率
寄附金限度額59,000円を当てはめると
(59,000-2,000)×10%=5,700円
限度額は総所得金額の40%で、400万円×40%で160万円なので、限度額内に収まっています。
住民税からの控除(基本分)
住民税からの控除は以下の計算式となります。
(寄付金額-2,000円)×10%
寄附金限度額59,000円を当てはめると
(59,000-2,000)×10%=5,700円
限度額は総所得金額の30%で、400万円×30%で120万円なので、こちらも限度額内になります。
年収と全ての所得控除後の金額が分かればOK
ふるさと納税の限度額や、寄付金控除額は一見、複雑に見えますが、計算式自体は難しいものではありません。
基本的には年収とすべての所得控除後の金額が分かれば、計算式に当てはめるだけです。
サラリーマンであれば、毎年5月ごろに勤務先から住民税の特別徴収額の決定通知書が渡されます。
昨年の所得に応じた住民税の金額が記載されており、所得割額は市民税所得割額と県民税所得割額を合計した金額になります。
計算した住民税からの控除限度額(特例分)は住民税所得割額の2割となっているので、住民税の特別徴収額の決定通知書で住民税所得割額の20%を目安にすることもできます。
ただし、あくまで昨年のふるさと納税限度額になるため、昨年と今年で大きく収入が変わっている方、税金控除の項目が変わっている場合は金額が違ってきます。