現状アトピーの治療は、対処療法がメインとなり、原因について直接アプローチしていく治療方法は確立していません。この現状がアトピー治療の誤解を生んでしまっていますが、近年治療の研究が大きく進んできており、アトピーに対しても完治の希望が見え初めてみました。ここでは最新の治療について紹介をします。

現状よくわかっていないアトピー治療

現状アトピーの治療は、炎症をステロイド治療薬で抑制し、保湿剤で肌を保護していくという方法が主流となっています。

 

これが現状のベストであり、これ以上の治療方法は再現性、根拠の面から見ても存在しません。

 

ステロイド治療薬における症状のコントロールは、長期間のコントロールによって症状の軽減、消失が期待できる面があり、対処療法といっても症状に対して効果的な一手になっていることは間違いありません。アトピー治療に関しては下記ガイドラインで現状を知ることができます。

日本皮膚科学会ガイドライン

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopicdermatitis_guideline.pdf

 

原因という側面から見ていくと、確実な一手が打てていないアトピー治療ですが、近年アトピーの症状の大部分である「かゆみ」を抑制する研究が大きく進んできており、原因を根本から解決していける治療が見えてきています。

かゆみの元を制御していく

九州大学の生体防御医学研究所のグループが、かゆみのメカニズムを免疫細胞の中にある「EASP1」という物質が大きく影響していると発表をしました。この物質はたんぱく質なのですが、このたんぱく質の量を減らしていくことで、かゆみを引き起こすIL-31という物質が減り、かゆみの抑制につなげることができたということです。

 

今までの研究でIL-31がかゆみの原因になっていることはわかっていましたが、今回の研究で、その物質を作り出すメカニズムを解明し、減らすことが可能になったのです。

皮膚の炎症を抑制するわけではないが・・・

今回の研究によって可能となるのは「かゆみ」の根本部分を改善していくということになります。皮膚の炎症を抑えていくということではありません。

 

しかし、アトピーの一番つらいかゆみを抑制していけるというのは、ストレスの原因を大幅に排除していくのと同意義であり、非常に大きな期待をしていける効果となります。

 

ある意味では皮膚の炎症を抑制していくよりもずっと大きな一歩になることでしょう。

期待されている新薬について

上記で紹介した研究のほかに新薬に対する研究も進んでいます。その薬の名前は「デュピルマブ」という薬で、ロシアとアメリカが共同開発している薬となります。日本では臨床試験がされている最中の薬です。

 

 

IL31に効果的に作用する薬として期待されており、今現在現実的に考えられるアトピーの症状に対する薬として非常に大きな期待をされています。

 

 

中外製薬からも、IL-31に対しての作用が期待できる、ネモリズマブという薬が開発されており、アトピーに対する効果で期待をされています。

日本はアトピー治療に力を入れている?

実は日本のアトピー患者というのは、40万人を超えているとされており、決して無視することができない数字となってきています。とくに働き盛りの人のアトピー症状が多く診られるようになり、治療のニーズというのはここ数年で劇的にあがってきているのです。

 

今後九州大学の生体防御医学研究所の研究からより効果的な薬が開発される可能性は高いでしょう。というよりももはや確実に開発されると考えることができます。

 

対処療法による長期的な治療を必要としたアトピーの常識、概念が大きく変わるのはそう遠くない未来となります。

「アトピーが治る」と断言している治療の信憑性は非常に低い

大きな研究が進んでいるからこそ、現状「治る」と断言をしている治療の信憑性は低いと考えることができます。

 

最新の研究でかゆみの原因、そしてそれに対処することが可能とわかってきていますが、この研究を待たずに「治る」と断言していた治療法の根拠というのは非常に不透明で、信用できない状況と言えるでしょう。

 

何を持って「治る」とするのかという側面から見ていくと、

 

・経験談(治療者の価値観によるところが大きい)

・体験談(このようなことをしたら症状が治ったという個人的見解)

 

をもとに話を展開していることが多く、科学的根拠は非常に薄いあるいはまったくないことが多いです。

 

安易にアトピーが治る、完治するということを、現状で言葉にしてしまうことこそが、アトピー治療を混乱させてしまう原因と考えることもできます。

 

実績が信頼できるかどうかはわからない

確実に治っている症例というのもあるのかもしれませんが、それがどのような人に対して特に効果的なのか、どんな人にも効果的なのかは、誰にもわからないのが現状です。

 

実績がいくらすばらしいものであっても、それはあくまでも「結果論」であり、信憑性はどうしても低くなってしまうことを、治療を受ける人はしっかりと知っておく必要があります。

現状の治療でも良くなる人もいる事実

研究が進んでいるということを紹介すると、それまで我慢をすれば良いと考える人もいるかもしれませんが、それは決して得策ではありません。

 

あくまでも予想の範疇を出ませんが、新薬や新しい治療が出てきたとしても現在ある対処療法がなくなることはないでしょう。

 

それくらい現在のアトピー治療というのは安定した効果を発揮してくれるものであり、リスク管理ができているものになります。幅広い症状に対応していけるのも大きなメリットです。

 

対処療法でまったく効果のない人に対して、新しい治療は積極的に提供されていく流れがしばらく続くと考えられます。それと同時に、軽度なアトピーに対しても利用できるより効果的かつ負担の少ないさらなる治療法が生まれていく可能性があります。

急に良くなる不思議な病気でもある

アトピーは、何かしらのことがきっかけで急に症状が良くなることも決して珍しくありません。

 

アトピーに対して思いつめ過ぎず、ある程度楽観視している人ほどいつのまにか良くなっているという状況を体感しやすくなり、症状とも上手く付き合っていけるようになる傾向があります。

 

なぜこのような状態になるのかということは良くわかっていませんが、ストレスが大きく影響していることは間違いなさそうです。

 

症状と付き合っていこうとすると、薬も効果的に活用できるようになります。

 

ステロイド塗り薬等で効果的に症状を抑制していけると、ちょっとした異常にも気付きやすくなり、軽度の状態で症状を改善させていくことがしやすくなります。

 

これらが習慣化することで、炎症が起こらない肌の状態が普通になり、体もそれに合わせて炎症を引き起こしにくくなっている場合もあります。

 

なぜこのようなことが起こりえるのかということについては、まだまだ研究段階であり、はっきりとしたことはわかっていません。

 

しかしデータ的に、症状を抑制していくことで、症状が良くなっていくということが出てきている面もあり何かしらのメカニズムが働いている可能性というのは大いにあると言えるでしょう。

 

今後アトピーに関する研究の発表というのは、治療に大きく影響を与えていくことなるでしょう。

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